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日刊建設工業新聞
2020/09/01

【鳥取】入札中止と延期は死活問題/県建協が県に申し入れ/調査基準価格は物別れ

 県建設業協会は8月27日、県土整備部に対し「度重なる積算ミスによる入札中止や延期は死活問題」と、強く改善を求めた。また、調査基準価格の引き上げでは、受発注者双方の間にある深い溝は埋まらなかった。
 「とくに(受注額点が更新される)年度末の工事は受注計画に響く」―。
鳥取市内で開かれた会合で、協会の由宇正実会長らは県土の草野愼一部長らを前に積算ミスを起こさない方策を要望した。
 これに対し県土総務課は「とりわけ年度後半は影響が大きいと認識している」と述べ、部内会議でミスの事例を共有して再発防止に取り組んでいる状況を説明した。
 協会は真剣な取り組みを重ねて要望し、「初歩的なものなどミスの中身に踏み込まないと直らない」と指摘した。
 同一日、同一工種の複数開札に関しては、協会が「何とか回避できないか」と注文。同部は開札の順番を定め1件受注すれば外す「一括審査方式(いち抜け方式)」を提案し「どのようなものに適用できるか検討したい」と話し、例として年間道路維持工事を挙げた。
 ただ、「あってはならない積算ミスの際の手続きが難しい」と課題も付け加えた。
 調査基準価格を巡っては、協会が「労務費は上昇したが、現場管理費と一般管理費がないと現場管理技術者の給与は引き上げられず、魅力ある業界につながらない」と訴え、さらなる引き上げを主張した。
 同部は今年4月から担い手育成やICT経費を盛り込んだ算定式を改正しており、県土総務課は「予定価格の92%は全国的に高い水準」と理解を求めた。
 また、同部は継続審議の災害協定の総合評価への加点0・2点を撤回する考えを示した。過去に地域貢献(災害・除雪)加点を廃止した経緯に触れ、「部内で再検討した結果、総合評価の趣旨になじまない」と説明した。
 これに対して協会は「他県ではもっと加点優遇している」と譲らなかった。

日刊建設工業新聞