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北陸工業新聞社
2020/09/07

【石川】日銀跡地活用の行方は!?/近隣街区で地上げも/エリア一帯「目が離せない」/新たなまちづくりのカギ握る

 日銀金沢支店の駅西への移転計画が着々と進む中、都心部の一等地である同支店跡地の動向に関心が高まっている。コロナ禍にありながら、今後の行方をにらみ、同支店近隣の街区の一部で地上げの動きが出始めており、同エリア一帯の動向から目が離せない状況になっている。
 日銀金沢支店は金沢市香林坊2丁目にあり、規模はRC造2階建て延べ約4800平方メートル。現況の敷地面積は約4700平方メートル。移転に伴う基本・実施設計の履行期限が2021年4月末、工事監理期限が23年10月末で新支店の完成時期に該当するとすれば、移転完了はそれ以降。
 日銀では全国の事例からも支店跡地は売却する方針。金沢支店でも「金沢にとって大切な場所と認識している。市民の声に耳を傾け、コミュニケーションをとり、真摯に対応していく」(武田吉孝支店長)としている。
 山野之義金沢市長は移転後の跡地利用を巡って「あの場所は金沢の顔であると同時に石川県の顔。北陸の顔と言っても過言ではない。地域の商店街やまちづくり全体に関わってくる。市として、どんな関わり方ができるのかしっかりと議論していかなければならない」とするほか、金沢市議会や経済界などからの様々な意見や要望を踏まえ、「単体でなく、エリアとして考えることも選択肢」と答弁している。
 これまで香林坊から南町界隈にかけては日銀金沢支店が立地したことから金融ストリートとして成立してきたが、北陸新幹線の開業を機に、銀行や証券会社が入居していたビルが次々とホテルに生まれ変わり、百万石通りは令和時代の新たな都市機能への転機を迎えていることから、日銀跡地の活用は、今後の金沢のまちづくりを占う大きな試金石になるとみられる。

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