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建通新聞社四国
2020/09/08

【香川】琴電連立の都市計画存廃で検討委が初会合

 都市計画決定から22年、事業中止決定から10年が経過した高松琴平電鉄連続立体交差事業を存続すべきか、廃止すべきか―。香川県の設置した「琴電連立検討委員会」(委員長・中村英夫日本大学教授)が9月1日、県庁内で初会合を開き、都市計画の在り方に関する検討を開始した。検討の論点として「交通対策」「まちづくりの姿」「住民との合意形成」を掲げ、廃止した場合の代替案なども検討しつつ、2024年度までの3カ年で結論を出すことを決めた。
 琴電連立事業は、高松市の中心市街地を南北方向に走行している琴電を高架化して地域分断や交通渋滞・踏切事故を解消するとともに、サンポート高松に高松築港駅を移転することで交通結節機能を強化しようと1998年に都市計画を決定。琴平線(延長2586b)と長尾線(同956b)を高架化し、28カ所の踏切を除却する内容で、2000年3月に国の認可を得て県と高松市、琴電の3者が事業化した。
 その後、琴電が経営破たんし、県と高松市の財政状況が悪化して事業継続が困難になったため、県が05年度に事業を一時中止。当初計画の見直しも含め複数案を検討したものの、社会経済情勢や県の財政状況は好転せず、県公共事業再評価委員会の答申を受けて09年度末に事業中止を決めた。
 検討委では、交通対策とまちづくり、合意形成の3点を論点に都市計画の存廃について検討することを確認。委員からは「廃止の場合の代替案をまとめ比較する必要がある」などの意見が出た。事業者である琴電は「廃止に向かっての検討だと認識している」と述べた上で「都市計画が道路整備やまちづくりの阻害要因ともなっている。沿線のまちづくりの姿も併せて検討すべき」と提案した。
 年度内に開く2回目の会合で、交通対策とまちづくりの姿に関する課題を確認するとともに、都市計画を見直す場合の法律上の手順や問題点、交通対策の評価方針を検討する。21年度以降、都市計画を存続または廃止した場合の交通対策とまちづくりの姿を比較検証。さらに、存廃を判断する前提条件を整理し、住民との合意形成の方策を検討した上で、委員会としての結論をまとめる。
提供:建通新聞社