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建通新聞社
2020/09/18

【大阪】近畿地整と滋賀建協が意見交換会開く

 国土交通省近畿地方整備局などと滋賀県建設業協会(桑原勝良会長)との意見交換会が9月16日、大津市内で行われた。滋賀建協は11テーマ20項目の要望を提案。「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の継続による予算確保、地域建設業の安定的・持続的な業務量の確保、意欲ある若手や女性が活躍できる環境整備などを課題に挙げ、「スピード感ある施策展開」を求めた。
 近畿地方整備局企画部の池口正晃部長は「今後、地域の建設業が持続的に発展するため、技術力向上、担い手確保など、発注者として改善できることを考えたい」と実りある議論を期待。桑原会長は「豪雨災害が今年も日本を襲い、インフラの脆弱(ぜいじゃく)性を思い知った。(最終年度を迎えている)3か年緊急対策が本年度で終了することはあり得ない」と予算確保を求めた他、「地域の建設業がインフラ整備や災害対応などにより地域の安全、安心を守るため、人材と機械の確保、安定的で持続的な業務量の確保が不可欠だ」と強調した。
 意見交換では、協会が提案した@社会資本整備のさらなる推進A適正な利潤が確保された価格による契約B「発注関係事務の運用に関する指針」(改正運用指針)の順守徹底C地元建設業(近畿地整一般土木C、Dランク)の受注機会および発注ロットの拡大D設計・積算E総合評価方式F設計変更G道路施設台帳、補修補強調書などH新型コロナウイルス感染防止対策I建設キャリアアップシステムJ施工管理事務などに係る資格の新設およびその経費の積算―の11テーマを議論した。
 このうち、適正利潤が確保された価格による契約では「国交省が先んじると全体的な底上げにつながる。特に民間の仕事への影響が随所に現れており、雲行きが怪しくなってきている」として、公共工事の事業量確保と改正品確法などを基に予定価格に近い額で契約できるよう、低入札調査基準価格、最低制限価格のさらなる引き上げを求めた。
 地元建設業については、地域の守り手として災害時の応急復旧活動、除雪作業に引き続き取り組むためにも「適切な地域要件の設定によりC、Dランクの受注機会拡大、分任官発注ロットの拡大」を訴えた。整備局も各地域の建設業者の声を聞き、受注機会の確保を考えながら「発注時期の早期化、平準化に取り組む」と答えた。
 新型コロナ感染防止の取り組みでは、各種検査をリモートワークで行うための環境整備などを協会側が求め、整備局は受発注者の手続きの負担を軽減する総合評価落札方式の施工能力確認型を20年度に導入したことや現場の「遠隔臨場」による監督・検査を試行することを紹介した。
 また、事務所で働く女性がリアルタイムで現場をサポートし、現場技術者は施工管理業務に専念するという施工管理事務の資格新設については、整備局からも『建設ディレクター』の事例を挙げ、「働き方改革につながるアイデアだ」と新たな人材の活用に前向きな考えを示した。
 国土交通省近畿地方整備局や近畿管内2府5県政令市などと、各府県建設業協会との2020年度の意見交換会は、16日の滋賀県建設業協会からスタート。地域建設業が持続的に発展していくための業務量の確保や生産性向上、担い手確保、また新型コロナウイルス感染防止対策などについて、意見を交わし、情報共有する。今後は、9月23日に福井県建設業協会、9月25日に和歌山県建設業協会、9月28日に京都府建設業協会、9月29日に兵庫県建設業協会、10月2日に大阪建設業協会、10月5日に奈良県建設業協会と行う。

提供:建通新聞社