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建通新聞社(神奈川)
2020/09/29

【神奈川】国交省ら 多摩川流域治水プロジェクト策定へ

 国土交通省と、東京都や神奈川県、山梨県、多摩川流域30市区町村で構成する「多摩川流域協議会」は9月25日、多摩川水系流域治水プロジェクトの中間とりまとめについて協議した。「令和元年東日本台風」では、各地で戦後最大を超える洪水により甚大な被害発生したことを踏まえて、多摩川水系においても事前防災対策を進める必要があり、堰改築、堤防整備、河道掘削などの対策を実施していく方針。国の直轄管理区間では、戦後最大洪水(「昭和49年9月台風16号」と「昭和57年9月台風18号」)と同規模の洪水に対して、堤防からの越水を回避し、流域での浸水被害の軽減を図る。
 今後は9月中に、国・都県管理区間の河川に関する対策を図示し、流域対策やソフト対策を記載した「流域治水プロジェクト(中間とりまとめ)」を公表。2021年3月に「流域治水プロジェクト(最終版)」をとりまとめて、公表する予定だ。
 国土交通省は、気候変動による水災害リスクの増大に備えるため、河川・下水道管理者などによる治水対策に加えて、あらゆる関係者により、流域全体で行う治水「流域治水」へ転換し、流域全体で早急に実施すべき対策の全体像「流域治水プロジェクト」を示し、ハード・ソフト一体の事前防災対策を加速していくことを、「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」で今年7月6日に提示した。多摩川でも、その一環として多摩川流域治水プロジェクトを推進していくため、中間とりまとめを策定することにしている。
 25日に協議した中間とりとめの案は次の通り(ソフト対策を除く)。
■河川における対策
《国土交通省》
◇対策内容=堤防整備、高規格堤防(戸手地区)、河道掘削、水衝部対策、大丸用水堰改築、昭和用水堰改築、羽村用水堰改築など
《東京都》
◇対策内容=分水路整備、護岸整備、調節池整備、河道掘削、横断工作物の改築、河道拡幅など
◇対象箇所=野川、仙川、丸子川、三沢川、大沢川、秋川など
《神奈川県》
◇対策内容=護岸整備、河道拡幅、河道掘削
■流域における対策
◇利水ダム2ダムにおける事前放流などの実施
◇体制構築(国、東京都)
◇合流点処理の検討
◇排水施設の整備
◇流出抑制施設の整備など
◇既存施設(五反田川放水路(建設中))の活用による雨水貯留
◇下水道樋管などのゲート自動化・遠隔操作化など
◇下水道施設の耐水化
◇移動式排水設備(排水ポンプ車など)の整備
◇土のうなどの備蓄資材の配備など
◇自治体との光ケーブルなど接続
◇簡易型河川監視カメラの設置など

提供:建通新聞社