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北陸工業新聞社
2020/09/29

【石川】金沢の不動産投資/「ホテル」に停滞感/「マンション」優位へ/コロナ禍で陣取り変化/東京建物、大和ハウスが適地

 北陸新幹線の開業効果で活況を呈していた新設ホテルラッシュが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で一気に停滞感が広まる一方、今月に入り、東京建物(東京)に続き、大和ハウス工業東京本店(同)の分譲マンション開発が明らかになるなど、金沢の不動産投資はマンションシフトが顕著になってきた。
 同市内では2015年3月の北陸新幹線開業以降、国内外から観光客が急増し、全国有数のホテルラッシュが起きた。その影響で市内の土地取得は、マンションに比べ、事業収益性の観点などからホテル勢が優位に立ち、2年後の17年にはマンションデベロッパーから「ホテル開発に良い場所を奪われ、金沢で適地が手に入らない。苦しい状況」との嘆き節が聞かれていた。
 しかし、今年に入り、新型コロナの影響で観光・ホテル需要が一気に冷え込み、エイジェーインターブリッジ(東京)は5月、「金沢大手町ホテル」の計画を中止、土地売却に転換した。その反面、新幹線で脚光を集めた金沢の人気は根強く、マンションデベロッパーが土地取得に動き出した格好である。
 こうした中、今夏、タカラレーベン(東京)は、駅西本町1丁目でプレサンスコーポレーション(大阪)の所有地を取得し、「(仮称)レーベン金沢駅西本町2新築工事」(RC造8階建て延べ5691・65平方メートル)に着手。東京建物は本町2丁目のコインパーキング用地約1500平方メートルを取得。10階建て60〜80戸を想定し、来年中の着工を目指すほか、大和ハウス工業東京本店も橋場町で分譲マンション「(仮称)橋場町プロジェクト新築工事」(RC10階建て延べ5100平方メートル)を年内に着工するなど、「ホテル」対「マンション」の陣取りは、今、コロナ禍で塗り変わろうとしている。

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