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建設新聞社
2020/10/01

【東北・福島】JR東日本初の駅直結医療施設を誘致/いわき駅北口地区開発計画

 福島県いわき市とJR東日本水戸支社が共同で進めているJRいわき駅北口地区約2・9fの開発計画は、第T期開発として同社初の駅直結型医療施設となる最大7階建て、延べ約1万4600平方bの病院誘致、第U期開発では地域交流機能や住居、業務機能などを備えた施設の誘致を検討している。この計画は9月29日に開催した、工業地域を商業地域や第一種居住地域とする都市計画の変更などに係る市民向けの説明会で両者が明らかにしたもの。
 いわき市では「第二次都市計画マスタープラン」や「立地適正化計画」の中で、JRいわき駅がある平地区を都市拠点と位置付け、ネットワーク型コンパクトシティの形成など持続可能なまちづくりを目指している。
 一方、JR東日本ではグループの経営ビジョン「変革2027」の中で地方自治体との連携による地方中核駅を中心としたまちづくりの取り組みを掲げ、観光などの地域間移動、地域内移動による駅を中心とした地域活性化への取り組みをJR秋田駅など地方主要駅で進めている。
 こうした経緯から、市とJRは2019年7月に鉄道施設の利便性向上をはじめとした公共交通の利用促進や地域活性化に向けた包括連携協定を締結し、南口のホテル開発や北口への健康・医療機能施設の誘致、駅前居住の促進などを共同で進めることとした。
 今回の計画地のコンセプトは「健康・医療機能を核とし、駅の拠点性を生かしたコミュニティの場づくりを行う」で、第T期開発では駅前デッキに直結した医療施設を誘致することで公共交通機関を利用する高齢者や通勤利用者の利便性向上を図る。
 病院の建設用地は約3900平方bで、敷地面積や建ぺい率などから市とJRが試算した最大規模は7階建て延べ約1万4600平方bとしている。さらに病院東側約5100平方bには平面駐車場を設け、病院入口は平面駐車場から入る1階と駅前デッキに直結した2階の2カ所を想定している。誘致する病院は市内にある病院の移転によるものとし、病院名については、本年度末に予定している都市計画変更決定後に公表するとしている。
 整備スケジュールは21・22年度で設計を進め、23年度に着工、25年度の供用開始とする。
 さらに第U期開発のエリアは第T期開発地区の北東側で、地域交流機能や居住機能、業務機能を誘致する。今後、誘致や手法について検討するとともに、現在、都市計画道路として拡幅を進めている都市計画道路掻小掻槌幕ノ内線の整備状況を踏まえがら30年度以降の整備を目指す。

 提供:建設新聞社