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建通新聞社(中部)
2020/10/07

【愛知】名古屋市 名駅東側駅広再整備の今後をみる

 名古屋市住宅都市局は、名古屋駅東側駅前広場の再整備に向けて、2021年度に地下広場の都市計画変更手続きを進める方針だ。工事では、飛翔の解体工事を20年度内に着手する他、21年度以降は地下鉄桜通線の空調関連設備の移設と名駅前ポンプ所の仮設ポンプ井築造のインフラ工事を進めていく計画。今後の工程は明らかにしていないものの、空調関連設備と仮設ポンプ築造には最短で2〜3年は必要とみられることから、新たな地下広場構築は、24年度ごろの本格着手が有力だ。
 東側地下広場は、名古屋駅の地上中央コンコースを出て正面に新設する地下出入り口部付近(地下鉄東山線中改札の隣接部)と、東山線南改札付近、東山線北改札の北側の3カ所に設ける計画。中改札付近の現空間は、ユニモール西側の吹き抜け広場を含め、特殊街路として都市計画されている。特殊街路・地下広場の別や面積などの詳細を今後決め、21年度の都市計画変更手続きに備える見込み。
 飛翔解体に向けた準備は、分解設計・再構築検討を錦建築設計(名古屋市中区)に委託済み。単純に解体するだけでなく、ささしまライブ24地区内で再構築するため、極めて技術的難易度が高く、建設当時の施工業者と協力体制が必要不可欠といった理由で随意契約した。
 解体に当たっての施工ヤードは、飛翔南側を中心とする道路部に設ける考え。飛翔南側は、最大で現名駅前広場に直進する3車線とロータリー車線、ゼブラゾーン(1車線分程度)で確保する。飛翔東側はロータリー1車線程度を確保。暫定区画線レイアウト設計の入札手続きを進めており、委託者選定後、21年2月26日までに設計成果を得る方針だ。
 交通局の地下鉄桜通線の駅舎空調機械室は、飛翔の北北東部直下の地下2階部(ユニモールよりも下)に所在。名古屋駅中改札口付近に位置する。地上部には空気を取り入れるための吸排気口があり、取り入れた空気を機械室に導入、冷暖房用に使用している。空調設備は東山線名古屋駅と同様に、地域冷暖房を担う名古屋熱供給のシステムに切り替える。名古屋熱供給のシステムに切り替え後、現在使用している空調関連の冷却塔や吸排気口といった不要になる設備を撤去して工事を完了させる工程を見込む。工事は21〜23年度に進める計画。空調以外にも地下鉄が使用する地上支障物があり、関係者協議がまとまり次第、工事の準備を進める見通し。
 上下水道局の名駅前ポンプ所は、飛翔南側直下にあり、桜通線直下に敷設している管渠を通じて雨水を堀川に排水している。仮設ポンプは、既設のポンプ設備と同等の1分当たり49・5立方bを確保する。仮設ポンプの設置場所は、まだ決まっていないと同局は説明。住宅都市局が飛翔解体で検討している施工ヤード以外の箇所に設ける場合は、仮設ポンプと既設雨水排水管渠に接続する別管渠を設ける必要もありそうだ。仮設ポンプ所の構造は、本ポンプ所と同等程度の仕様とする見込み。地下式、半地下式、地上式のいずれとするか比較検討中としている。いずれの場合でも仮設ポンプ所築造には最短2〜3年間はかかるとする。
 仮設ポンプ所の基本・詳細設計は日水コン名古屋支所(名古屋市熱田区)が担当。納期は21年9月30日。21年度以降に新設ポンプ所の詳細設計を進める。

提供:建通新聞社