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建設経済新聞社
2020/10/09

【京都】強靭化の中長期プログラム策定見据え 災害に強い道路網組み合わせ検討

 社会資本整備審議会道路分科会近畿地方小委員会(委員長・山下淳関西学院大学法学部教授)が8日、大阪市中央区の近畿地方整備局で開催。災害に強い国土幹線道路ネットワークについて、学識経験者らの意見を聞いた。
 令和3年度道路関係概算要求において、高規格幹線道路等と並行する直轄国道を組み合わせた新たなネットワークの考え方の導入、緊急点検を行った上で「ミッシングリンクの解消」「暫定2車線区間の4車線化」「ダブルネットワーク化」等を推進するとともに、ライフサイクルコストの低減や持続可能な維持管理を実現する予防保全による道路メンテナンスへの転換に取り組むため、防災・減災、国土強靭化に向けた中長期プログラムの策定が盛り込まれた。
 8日開催の社会資本整備審道路分科会近畿地方小委では、平成30年に台風21号の暴風でタンカー船が衝突し、橋梁が損傷したことで通行止めになった関西国際空港連絡橋が6車線区間だったことから被害の無い車線を活用して早期に通行を開始したことや、平成30年に国道27号(舞鶴市)が法面崩壊により通行止めとなったが、並行する舞鶴若狭自動車道及び京都縦貫自動車道(ダブルネットワーク)で交通機能が確保できたことなどを近畿地方整備局が報告。災害に強い国土幹線道路ネットワーク(高規格道路、代替関係にある直轄国道)とその他直轄国道を選定した[災害に強い国土幹線道路ネットワーク](近畿ブロック)案を示した。
 委員からは「被災地への陸路の確保は重要で、府県道・市町村道も重要」「費用対効果だけでなく、防災面での評価も必要」「災害時に共倒れする可能性も考える必要がある」「ミッシングリンクは随分解消されてきたが、鳥取豊岡宮津自動車道などでミッシングリンクがあり、どこから着手するのが効果的かを考えてほしい」「まずは車線を増やすことが大事。ゆとりある道路は災害時に大事になる」「無電柱化についても検討が必要」「鉄道との連携も考えないといけない」「地域の観点から、ミッシングリンクの解消、暫定2車線区間の4車線化、ダブルネットワーク化の組み合わせを検討してほしい」「物流や観光などそれぞれの観点がある」などの意見があった。
 近畿地整は、7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太の方針2020)の中で、防災・減災、国土強靭化−激甚化・頻発化する災害への対応として、防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策後も、災害に屈しない国土づくりを進めることなどが盛り込まれたことなどに触れ、「今日の議論を出発点に検討を進めたい」と述べた。