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建設経済新聞社
2020/10/14

【京都】名勝無鄰菴の建造物及び庭園 本格修理見据え計画検討着手

 京都市は、左京区南禅寺草川町の名勝無鄰菴の建造物について、耐震補強を含めた本格修理事業を計画。庭園も本格修理を実施する。
 明治29年に作庭された無鄰菴は、これまで本格修理を実施した記録がなく、建造物は築120年を超え、老朽化が進んでいることから、早急に本格修理が必要となっている。
 計画の具体的な検討に入るため、市は12日、文化財公開施設保存活用検討委員会を開き、計画策定の進め方と建造物の耐震診断等の状況を報告した。
 検討委に示した本格修理に向けた全体スケジュール(予定)によると、令和2年度は保存活用計画策定に向けた検討を検討委で進める(1年目)、また建造物の耐震基礎診断などを進める。令和3年度は保存活用計画策定に向けた検討を検討委で進め(2年目)、保存活用計画を策定。その後、整備計画策定に向けた検討を検討委で進める(1年目)。令和4年度は整備計画策定に向けた検討を検討委で進め(2年目)、修理基本設計・実施設計を行う。令和5年度〜6年度に修理工事を実施する予定。
 令和2年度事業の「京都市市有建築物耐震診断業務委託ただし、名勝無鄰菴庭園の建造物に係る耐震診断及び概略補強計画策定業務委託」は公募型プロポーザルで日建設計大阪オフィス(大阪市中央区)が受託。
 地盤の支持力を把握するための「無鄰菴本格修理事業用地における地質調査業務委託」は入札により、近畿地質センター(京都市伏見区)に委託し実施済み。
 木造の3棟については、耐震予備診断を母屋は平成26年度、茶室と管理人棟は令和元年度に実施した。
 耐震補強の方針によると、母屋は室内から庭園の眺望を損なわないものとし、茶室は茶室の意匠を損なわないものとし、管理人棟は外観を損なわないものとし、洋館は外観及び室内の意匠、形状、仕様などを保存する。
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 無鄰菴は昭和26年6月に国の名勝指定を受けた。主な建物は、▽母屋(W造2階建、延376・85u)▽茶室(W造平屋建、38・67u)▽管理人棟(W造平屋建、35・04u)▽洋館(レンガ造一部W造2階建、延155・36u)。