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日本工業経済新聞社(群馬)
2020/10/15

【群馬】昭和村は役場庁舎の実施設計進行中

昭和村は役場庁舎の建て替え基本設計の業務成果をまとめた。年度末をめどに基本設計を手掛けた福島建築設計事務所(前橋市)が実施設計をまとめる。工事は2021年度から2カ年で行う予定で工事発注はJV発注が理想とし、分離方法などはこれから検討に着手する。BCP庁舎(事業継続庁舎)として、さらに今後100年を視野に入れた長寿命化を意識した庁舎を目指す。新庁舎は現庁舎の敷地内に建設し、S造4階建て、延べ床面積2608・99uの規模。一部で免震構造の導入を予定している。
現在の役場本庁舎(糸井388)は旧耐震基準に基づき、1970年に建設された。耐震性が著しく低いため建て替えに踏み切った。今後の想定されるスケジュールは実施設計の年度末完了後、2021年7月から22年1月までを新庁舎工事期間に充て、23年度から既存庁舎の解体や西庁舎の改修を行い、事業が完了する。
新庁舎建設のコンセプトはバリアフリーを基本とし、機能性が高く、災害時に防災活動拠点として安全を確保できる庁舎。さらに地域性に配慮し、設備や景観へ配慮した庁舎を目指す。
県の人にやさしい福祉のまちづくり条例に準拠した施設計画とし、敷地内通路から施設内部の共用区間まで段差をなくすほか、多目的トイレや授乳室はサイン表示により誘導。エレベーターは車イス対応、多目的トイレは各階に設置する。
災害時は防災活動拠点とし、BCP庁舎として高い耐震性を確保。サーバー室で薄型の免振装置設置を想定している。災害時の機能維持を図るために災害発生から72時間の電力供用が可能な自家発電設備を設置する。発電機は軽油を燃料としたディーゼルエンジンとする予定。
寒冷地対策として、建物形態を凹凸の少ない計画とし、外気負荷を抑えながらエネルギーロスを最小限とする。熱効率のよい施設計画とするため、外断熱工法を採用、各開口部(ガラス部)は断熱性の高い複層ガラス(Lоw−Eペアガラス)を使用する。外装に採用する各種建材は耐候性、耐久性に優れ、メンテナンスをしなくとも意匠性を損なわない建材を採用。室内居住環境向上や省エネルギー化を目指す。各階はシンプルな施設計画とし、階段とエレベーターを反対の位置に計画し、ダブルコアシステムとする。
各階の床面積は◇1階=935・72u◇2階=958・87u◇3階=671・86u◇4階=42・54u。
各階および西庁舎の整備内容は次のとおり。
【1階】
◇事務室◇職員更衣室◇トイレ◇宿直室◇相談室など
【2階】
◇村長室◇応接室(災害対応室)◇会議室◇トイレ◇作業室など
【3階】
独立性を高めるため基本的に議会専用フロアとして位置付ける。議場床は平土間式とし、傍聴席や会議室を可動間仕切り壁を開放することで利用率の高い空間とする。
【西庁舎】
西庁舎はS造3階建て、延べ床面積869u。1階は間仕切り壁を設置し、48uの備蓄倉庫を整備、2階は通路新設し、多段式駐車場工事とつなぐ。
このほか間仕切り壁の新設や会議室に空調機の設置を行うが、最小限の内装改修を計画。3階は会議室を倉庫として使用し、改修工事は行わない。