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建設新聞社
2020/10/16

【東北・秋田】土木の未来≠体感/鹿島が成瀬ダム現場に「DX LABO」オープン

 鹿島(押味至一代表取締役社長)は秋田県東成瀬村の成瀬ダム工事現場内に、土木の未来を体感できる施設「KAJIMA DX LABO」を開設し14日、現地でオープニングセレモニーを開催した。ラボではAR・VRを活用し、同社が考える土木の未来≠竚嚼ン機械の自動運転による新システム「A4CSEL(クワッドアクセル)」などを体感・学習することができる。
 クワッドアクセルは建設機械の自動運転を核とした次世代建設生産システム。同社はこの開発・実用化により、これまで労働集約型産業の代表とされる建設業の生産性向上、「建設現場の工場化」を目指している。
 成瀬ダム堤体打設工事(施工=鹿島・前田建設工業・竹中土木JV)では、ことし7月のCSG打設開始からクワッドアクセルを採用。当日は無人の振動ローラー5台による締固めと無人ブルドーザ2台、有人ブルドーザ1台による敷均しが併行して進められていた。最盛期には最大23台の自動化重機が稼働する予定だ。
 DXラボは堤体打設工事を一望できる右岸側サイトに設けられた。1階のパネルゾーンではタブレット端末を操作しながらジオラマに組み込まれたARやパネルで工事概要など学習し、展望デッキではタブレットをかざすことで成瀬ダムの完成形を確認できる。
 また、2階に設けられた管制室ではIT技術者やエンジニアで構成される「ITパイロット」が4人常駐し、自動化重機の施工計画データ作成やデータ送信作業、稼働中の無人重機の監視などを行っている。
 式典で鹿島の高田悦久専務執行役員・土木管理本部副本部長は「クワッドアクセルが本格的に実証される超大型ダムで鹿島のDX(デジタルトランスフォーメーション)の方向を示し、建設業がどのように変わっていくのかを皆さんに理解してもらいたい」と開設の趣旨を説明。東北地方整備局成瀬ダム工事事務所の村山英俊所長は「このラボは自動化施工の司令塔で、今までのダム建設のイメージを覆す。ダム建設におけるDXを象徴する」、佐々木哲男東成瀬村村長は「夢のある事業が東成瀬村で始まっていることをうれしく思う。村を訪れる人たちにこのPR館をコースに入れてもらい誘客対策として大いに活用したい」と期待を寄せた。
 施設は建設現場内にあるため自由に出入りすることはできず、国土交通省や施工者主催の見学ツアーで活用する予定。

 提供:建設新聞社