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北陸工業新聞社
2020/10/19

【福井】吉島組/田中徹氏建設マスターに輝く/20年度優秀施工者国土交通大臣顕彰/「現場が大好き」人間的な成長も/U字溝さえ現場ごと対応力が必要/完璧はない常に改善を/たなか・とおる/主任/62歳土工

 吉島組(坂井市三国町石丸)の主任、田中徹氏が、20年度の優秀施工者国土交通大臣顕彰である、建設マスターに輝いた。
 職種は土工。この道ひと筋、40年余。6年前には、福井県の優秀建設現場施工者表彰を受賞している。「家族をはじめ、社長や先輩、本当、周りのみなさんのお陰」と、今受賞に心から感謝する。
 思い出深い現場の一つに、会社近くの、九頭竜川浄化センターの建設工事を挙げる。
 清水建設とのJVで請け負い、「とても厳しい監督さんでしたが、多くを学び、今も大変に役立っている」という。「下部工で、水槽関係など、工程が結構複雑だった。監督さんからは、安全第一の徹底を指導され、本当ためになった」と感慨深げ。ご恩を忘れず、信念にもなっている。
 規模の大小にかかわらず「現場が大好き」で、「人間的な成長も可能だから」と経験則を披露する。しかし「若い時は、苦労もした。やはり、余裕がなかったのでしょう」と、壁を幾度も感じたと打ち明ける。「U字溝を埋設する工事一つをとっても、場所や時期が違えば、まったく違う内容に」と、土木工事の難しさを指摘。現場ごと、一つひとつ異なる対応力が求められると強調する。「昔は、ほとんどが人力。今は機械化が随分すすみ、体は楽になった」と隔世の感を示し、「それでも、若い人が入ってこない」と、残念な思いを隠さない。
 技術者としては、高い誇りを持ち、「仕事に完璧はない。常に改善を心掛けたい」と、日々精進あるのみ。
 趣味は、仕事仲間で楽しむゴルフと「地域で行う蕎麦打ちかな」と、優しい笑顔で。
 年とともに、地域とのつながりが強くなり、そばの出番が多いようで「本当に奥が深い」と、仕事との共通点を見い出している。
 仕事では「納得するまで、現場を確認する」ように、そばでも徹底するなら、名人もそう遠くはなさそう。新たな分野へ、挑戦心を燃やしている。

hokuriku