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建通新聞社(神奈川)
2020/10/26

【神奈川】横浜市 工事の週休2日制確保を標準化

 横浜市は市発注工事で週休2日制の確保を標準化する。発注者指定型と受注者希望型で運用してきたモデル工事を、原則全ての工事を対象とする「発注者指定の適用工事」に一本化。新たに「達成率確認書」の提出を求めて成績評定への加点や経費の増額補正などに使う。2021年1月1日以降に契約するゼロ市債活用工事(ゼロ市工事)と同年4月1日以降に着手する工事でスタートさせる。
 市は週休2日制の確保を巡り、まず17年度に発注者指定型で達成率に応じて成績評定に加点するモデル工事を開始。18年度に受注者希望型を加えて2パターンとし、19年度から諸経費の増額補正、20年度からは労務費の増額補正を採り入れた。また、20年度の総合評価方式ガイドラインではモデル工事で週休2日制を確保した実績を評価項目の一つに選択できるようにしている。
 18年度に11件だった受注者希望型の件数が19年度に65件まで増えた他、発注者指定型を望む業界の声もあって、週休2日制の確保に対する取り組みが業界内に浸透してきたと判断。これまで2パターンで運用してきたモデル工事を「発注者指定の適用工事」に一本化して、週休2日制の確保を市発注工事の標準にすることになった。
 対象は管内一円工事などの一部を除く原則全て。現場説明書に適用工事または除外工事であることを明示して、適用工事であれば受注後に週休2日を実施するかしないかを選ばせる。週休2日を実施しない場合でも成績評定の減点などペナルティーは科さない。
 新たに提出を求める「達成率確認書」はモデル工事でのアンケート調査票・実施確認書に代わるもの。工事の完成日までに提出してもらい、達成率に応じて成績評定の加点(75%以上1点、50%以上0・5点)と、諸経費や労務費の増額補正(土木・建築積算工事50%以上、港湾積算工事100%で措置)に反映させる。総合評価の入札で加点評価する際の確認にも利用する。
 週休2日制の確保の標準化で皮切りとなるゼロ市工事に関しては、水道局が10月期の発注見通しで▽管20件▽上水道18件▽舗装13件▽区画線・標識3件―の合計54件を挙げており、第4四半期に入札する予定。道路修繕など他局のゼロ市工事も20年度末に順次、入札手続きが進められることになる。工事の平準化などに向け、ゼロ市工事や20〜21年度の2カ年工事を発注するため20年度当初予算に設定した債務負担行為限度額は前年度比8・4%増の約224億円となっている。

提供:建通新聞社