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建通新聞社(神奈川)
2020/11/20

【神奈川】労務単価引上げなど要望 全中建ブロック会議(神奈川)

 全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)は11月18日、川崎市内で国土交通省幹部とのブロック別意見交換会(神奈川地区)を開いた。傘下の神奈川県中小建設業協会(神中建、河ア茂会長)と横浜建設業協会(横建協、山谷朋彦会長)が働き方改革の推進に向けた支援や工事発注・引渡時期の平準化、提出書類の簡素化などを要望し、国土交通省の西山茂樹入札制度企画指導室長ら幹部と意見を交わした。
 開会あいさつに立った全中建の土志田会長は、財務省の財政制度等審議会歳出改革部会で建設業の労働需給の逼迫(ひっぱく)を唱える意見があったことに「不調・不落の要因は人手不足ではない」と反論し、実勢単価と積算との乖離(かいり)を問題提起した。
 また、神中建の河ア会長は働き方改革に応じた補正係数の割り増しや都市部工事の歩掛の改定、適正価格での受注の必要性を訴えた。併せて、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及には、国交省が義務化モデル工事を増やし、その積算方法を「自治体で発注する工事にも取り入れること」が重要だとした。
 横建協の山谷会長は「休みが少ない建設業では若い人たちが入職しない」と強調しつつ、週休2日制の実現には「中小零細企業の実態に合った補正係数への見直しが必要だ」と主張。国土強靭(きょうじん)化対策の継続も求めた。
 意見交換で全中建側は、週休2日制の実現に向けた労務単価や現場管理費・一般管理費の引き上げなどを要望。時間外労働の罰則付き上限規制については、現場と会社や資機材置き場との移動など「作業時間以外の労働時間」の多さを挙げながら、順守に当たって▽移動時間を考慮した標準作業時間の見直し▽施工経費の大幅増加▽標準施工期間の延長―などが必要とした。提出書類の簡素化や技術資料の削減を求める声も上がった。
 これに対し国交省は、労務単価や標準作業時間に関する要望を「問題意識として関係部局としっかり共有する」と回答。提出書類の簡素化要望には取り組み状況を説明しながら、引き続き簡素化に努める考えを伝えた。
 また、全中建側が早期発注や債務負担行為などの適切な活用で工事の平準化を促進するよう求めたのに対し、国交省は「目標を定めて取り組んでいるが、神奈川県内の平準化率を見れば、まだまだ改善していかなければならない」との現状認識を示した。

提供:建通新聞社