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建設経済新聞社
2020/11/25

【京都】淀川流域治水協議会が京都府域分会 バックウォーター抑制対策が必要

 近畿地方整備局淀川河川事務所らは24日、淀川流域治水協議会の京都府域分会を開催。京都府域の流域の特徴を踏まえた流域対策について確認した。
 淀川流域治水協議会は、淀川流域において、河川・下水道管理者等による治水に加え、あらゆる関係者(国・府県・市町村・企業・住民等)が協働し、流域全体で水害を軽減させる治水対策「流域治水」を計画的に推進するための協議・情報共有を行うことを目的に今年8月に設立。これまでに淀川水系流域治水プロジェクト(中間案)をとりまとめた。中間とりまとめ案によると、「流域人口1100万人の『淀川市民』の命を守る治水対策の推進」を掲げ、淀川水系においても、事前防災対策を進める必要があり、次の取り組みを実施していくことで、国管理区間においては、戦後最大規模の洪水と同規模の洪水を安全に流し、流域における浸水被害の軽減を図るとし、河川における対策では河道掘削、河道拡幅、築堤、高規格堤防、天ヶ瀬ダム再開発、川上ダム、安威川ダム、上野遊水地、鹿跳改修、橋梁架替、河道付替え、地下河川、水路トンネル、バイパス水路、天井川切り下げ、堰改築、霞堤嵩上げ、耐震対策、河川防災ステーション(水防拠点)整備等、流域における対策では、▽下水道等の排水施設、流域下水道(雨水)管渠の整備、雨水ポンプ増強、市町村における浸水対策事業、下水道吐口の耐震化▽雨水貯留施設の整備、開発行為に伴う調整池の設置、ため池の治水利用▽宅地嵩上げ▽利水ダム等25ダムにおける事前放流等の実施、体制構築▽土地利用規制・誘導(災害危険区域等)▽森林の整備・保全等を挙げた。
 24日開催の京都府域分会では、流域の特徴を踏まえた流域対策として、「みず・ひと縒(よ)る古都を支える流域対策」〜三川合流部や狭窄部の特性に対応〜(素案)を示した。
 素案によると、京都府域では「宇治川、木津川、桂川が1ヵ所で合流する三川合流域が存在」「三川合流点の上流では合流点の高い水位によるバックウォーター現象から、各河川において、洪水が滞留するため、内水河川からの排水が困難となり、近年洪水でも内水被害が頻発」「このため、三川合流点への流量の低減や合流時間を分散させ、バックウォーター現象を抑制する対策が必要」とし、各戸貯留浸透施設(土手を整備し貯留容量を確保等)、校庭貯留など、様々な対策で洪水を抑制することが必要とした。
 京都府域分会ではこのほか、関係市町が流域対策の主な事例を報告。城陽市は総合排水計画の段階的整備計画、新名神高速道路整備及び国道24号寺田拡幅事業による新名神高速道路の高架下への調整池の整備など、京都市は「雨に強いまちづくり推進計画」の策定、和束町は木津川かわまちづくりの整備(イメージ図も)、木津川市はハザードマップの更新、赤田川水門の完成、木津川タイムラインの作成、排水能力の向上(排水ポンプ車の導入)など、宇治市は雨水貯留施設の整備済み4ヵ所及び3ヵ所の整備予定、近畿農政局は農業用ダムの活用などを報告した。