近畿地方整備局が計画・整備を進めている「国道161号小松拡幅事業」のうち、同事業13工区(高島市鵜川から北部分の3・1q)の環境影響評価方法書がこのほどまとまった。当初は琵琶湖の一部埋め立てで具体化するとしていたものを取りやめ、山側にトンネルを中心としたバイパスによって実現を図るためのもの。
方法書の縦覧は、今月22日から1月27日まで大津市建設部広域事業課、滋賀県総合企画部県民活動生活科県民情報室で。またこの方法書に係る説明会が1月15日午後7時から大津市木戸支所、1月16日午後2時から高島市アイリッシュパーク小ホールでそれぞれ開催される。
同局が進めている161号小松拡幅は、大津市北小松から高島市勝野に至る全長6・5qで、昭和45年に事業化。161号に並行する江若鉄道敷を事業用地として取得し歩道等を整備する形で工事着手。その後、都市計画決定を経て現在、全長6・5qのうち、13工区は1qを昭和49年に4車線で開通、14工区については同工区北部分の1qを昭和63年7月に2車線で開通している。
今回の変更は、小松拡幅の13工区内・高島市鵜川から北部分の3・1qが対象。白髭神社を超えた部分で計画されている湖岸側への張出す形での埋め立てを湖岸の景観保全や、増加する観光客の通行安全確保が課題となっていることから取りやめ、山側に新たなバイパスを建設することで対応。バイパス建設に当たってのポイントは古墳群の遺跡、JR湖西線、電力鉄塔、浄水場、鵜川集落、そして白髭神社。ルートは山側となることからトンネルを中心としたものとなる見通し。新しいバイパス計画の事業費は300億円〜350億円となると試算されている。
同局滋賀国道事務所では、2018年末に「国道161号小松拡幅13工区ルート検討委員会」を立ち上げ、意見を聴取し、山側バイパスルートでの調査・検討に入っている段階。
環境影響評価方法書の縦覧後は、同準備書、同評価書の手順で、これと合わせて都市計画の変更を経て事業が動き出すこととなる。
提供:滋賀産業新聞