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建設経済新聞社
2020/12/01

【京都】二条城の城内通路改良工事 新型コロナで令和4年度以降着工に

 京都市は、元離宮二条城で令和3年度中に一部着工予定だった城内通路改良工事について、新型コロナウイルス感染症の影響で試験施工が遅れたため、着工を令和4年度以降とする方針を明らかにした。
 市は、城内通路改良工事のスケジュール変更を11月30日開催の元離宮二条城保存整備委員会に報告した。
 城内通路改良工事は、城内の通路が砂利道で歩きにくく、高齢者や障害者、車いすや杖、ベビーカー、キャリーバック利用者等の観覧の支障となっていることに加え、乾燥時の土埃、雨天時の水溜りなども、観覧に支障をきたすような状況にあることから、城内環境向上事業の一環として取り組むもの。砂利道の改良でバリアフリー化を図り、良好な観覧環境を整備する。
 通路改良の基本的考え方は、@景観との調和(史跡の景観と調和に配慮)A文化財保存(埋蔵文化財に配慮)B安全性、強度(来城者の安全性、維持管理や工事等に必要な車両の通行に留意)C市民や来城者の理解の4点。
 対象は城内の主要通路総延長は1800mで、(東側の第1工区)二の丸御殿、二の丸庭園外周通路の延長約900m、(北西側の第2工区)本丸から清流園までの主要通路の約500m、(南西側の第3工区)西橋休憩所から桜の園までの主要通路約400mを想定する。このほか北側一部の通路改良も予定。
 市は平成30年度に城内通路整備基礎調査(地下埋設管に関する情報整理等)をキクチコンサルタント(京都市北区)で実施。令和元年度は城内通路整備詳細調査として、地下埋設管詳細調査(地下埋設管のレーダー調査等)を同社で進めた。
 通路改良の基本設計、実施設計の策定に向けた基礎データ収集を行うため、令和2年8月に業界団体の協力のもと、試験施工の舗装材を敷設した。施工2ヵ月後の10月の状況を確認し、舗装の上に砂が乗ったため、舗装の色は既存の砂利に近い状態となったことを確認した。
 試験施工を経て、当初は令和3年度に第1工区に着工する予定だったが、新型コロナの影響で試験施工が遅れたため、スケジュールを変更する。
 当初は令和2年度実施の通路改良基本設計、第1工区実施設計を令和3年度に繰越する予定。令和4年度以降に第2〜第3工区の実施設計、第1〜第3工区の改良工事を行う予定。
 市は令和2年10月に城内通路改良基本設計及び一部実施設計を入札し、キクチコンサルタントに決定した。
 現在、同社が舗装材の破損や劣化の状況を確認するとともに、試験施工の舗装材や通路改良に関するアンケート調査をとりまとめ中。施工後2ヵ月で舗装の損傷等が見られるため、今後、これらの結果を踏まえ、必要に応じて、文化庁等との協議を行って2回目の試験施工を実施していくことも検討する。