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滋賀産業新聞
2020/12/03

【滋賀】湖南市 複合庁舎の整備

 湖南市の生田邦夫市長はこのほど、就任後初の市議会定例会で複合庁舎整備事業について触れ、「時間をかけてあり方を見直すことから当面は議会提案しない」と表明した。今後は、実施済みの耐震診断調査結果内容を再精査し、必要であれば関連経費を措置していく考えだ。
 同事業は、今年9月に工事を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大によって経済情勢が不透明な状況に陥ったことに加え、今後も感染症対策関連予算が必要との考えから、前市長の谷畑英吾氏が着工先送りを6月に表明。確保していた事業費の一部はコロナウイルス対策費等へ予算配分された。新たな着工時期については財政状況の好転を見極め判断すると、明確な時期は示していなかった中、去る10月に行われた市長選で生田新市長が誕生し、同案件の行く先が注目されていた。
 今回、時間をかけてあり方を見直すとの発言から今後のスケジュール等は未確定。市長が課題と示している浸水被害防止のための河川・池の改修等の災害対策や、市を二分する野洲川の新たな橋の建設・主要道路複線化等の交通インフラ整備など、安心・安全なまちづくりのための基盤整備に係る各種事業費確保を優先していく可能性もあることから、今後の動向が注目される。
 同事業は、東庁舎を建て替えし周辺の公共5施設を集約、庁舎機能とその他公共施設機能を備えた複合施設を建設するもので、▽市民の安全・安心な暮らしを支える拠点となる庁舎▽市民に開かれた誰もが使いやすい庁舎▽社会情勢の変化に対応できる長寿命で柔軟性の高い庁舎▽環境に配慮した庁舎―の4つの基本方針を打ち出し、各方針には市民からの声や建設に関わる項目を含んでおり、それらを1つずつ確実にクリアにし、機能性の優れた庁舎となるよう整備目標を打ち出している。
 新庁舎の規模は、S造4階建、延1万1900平方bと明記。架構形式は純ラーメン構造を採用。駐車場は、必要台数430台・駐輪台数50台が可能な駐車・駐輪整備を行う。周辺環境との調和を視野に入れ、敷地内は緑あふれるランドスケープデザインを計画、また、敷地内の動線は歩車分離し、車いす利用者駐車場には屋根を設け、雨に濡れずにアクセスできるよう配慮する。
 新庁舎の階構成は、1階に▽市民交流スペース▽市民窓口を、2階に▽保健センター▽健康福祉・教育等の福祉関係窓口を集約する。3階に▽市長室▽災害対策本部▽事業系窓口を集約し、4階に▽議場・展望ロビーを設置する方針。
 複合庁舎整備実施設計業務は、石本建築事務所(大阪市中央区)が担当済み。

提供:滋賀産業新聞