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建通新聞社(神奈川)
2020/12/03

【神奈川】横浜国道、横須賀市 追浜駅前広場拡張・再編検討

 国土交通省横浜国道と横須賀市が事務局を務める「追浜駅交通結節点事業計画検討会」の第2回会合が11月27日に横須賀市で開かれた。整備方針(案)として、分散するバスやタクシー乗降場を集約するなど、安全で利用しやすい環境を整える他、駅周辺の土地の効率的・効果的な利用を図るため「立体道路制度」を活用し、点在する公共施設再編との連携、駅施設の改良など官民協働による都市基盤整備、総合練習施設のあるプロ野球球団や地元企業などとの連携によるまちづくりに取り組む方向が提示された。
 また、機能配置については、駅前への「集約整備」する案と、駅前に「バス・タクシーなど」の乗降場を駅前広場に配置し、一般車・駐輪機能は隣接する街区に「分担整備」する案が示されたが、防災面・安全面や、既存商店街との共存・連携の面から、「分担整備」が出席者らに支持された。年明け以降に開催予定の次回には、動線計画、施設配置計画、事業計画のコンセプトなどを検討。その後、事業スキームも含めた事業計画案を整理していく。事業計画の策定・公表時期、事業着手時期は未定だが、事務局を担当している横浜国道では、「(追浜駅前には)解決すべき課題があり、スピード感を持って進めたい」と話している。
 検討会は、京浜急行追浜駅前での地域交流拠点形成、交通結節点機能の強化・改善などに向けて事業計画を検討するために今年9月に設置されたもので、関連する行政機関と民間企業、有識者で構成している。今回の会議ではまず、追浜駅周辺に必要となる機能として、▽バス乗降機能▽タクシー乗降機能▽一般車送迎・駐車機能▽安全・円滑な通行機能▽回遊機能▽交流機能(公共施設)▽市街地古典機能(商業機能)▽防災機能―を挙げた。その上で、ハード・ソフトの対策として、駅前広場の拡張・再編(乗降場の集約)、一般車の総合・駐車場の整備、駐輪場の再編、歩行者デッキ再整備、駅周辺への公共施設整備、多目的広場の整備などに取り組む必要があるとした。
 さらに、これらの機能配置については、できる限り駅前広場に集約する「集約型整備」と、駅前広場隣接地区と連携し分担する「分担整備」のデメリット、メリットを整理し、比較検討した。分担整備した場合、集約整備案に比べて、駅前広場に必要な面積を小さくできる可能性があり、歩行者の回遊性が向上し、にぎわいあるまちづくりが図れるという。
 現在の追浜駅前広場は国道16号と市道追浜夏島線の交差点に面していて狭隘(きょうあい)なため、バスやタクシーなどの乗降場、駐輪場が分散。追浜駅前交差点では交通阻害や交通事故が起きており、歩行者と車両の錯綜(さくそう)、バリフリー未対応などの課題がある。また、まちづくりの面から見ても、公共施設が駅から離れている上に老朽化が進んでいて、駅直近に震災時避難所や広域避難所がない。そこで横須賀市は、追浜の目指すまちの姿を示すものとしてグランドデザインを策定中だ。
 一方、国土交通本省では9月、集約型公共交通ターミナルを整備する「バスタプロジェクト」の展開に向けた推進方策を検討するため、「バスタプロジェクト推進検討会」を設置し、議論を進めている。整備・運営手法などの考え方、構造基準の考え方などを検討し、12月にガイドライン素案を示す予定。

提供:建通新聞社