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建通新聞社(東京)
2020/12/04

【東京】荒川第二・第三調節池 3次元モデルを全面活用

 国土交通省関東地方整備局は、荒川第二・第三調節池整備事業でBIM/CIMを全面活用する。このため、現在簡易公募型プロポ―ザル方式で契約手続きを進めている「荒川調節池BIM/CIM活用支援業務」を通じ、統合的な3次元モデルを構築する。今後、事業の本格化に合わせ、施工管理の効率化や、広報業務など幅広い場面で試行導入し、活用性を検証していく。
 荒川第二・第三調節池整備事業は、荒川流域でも特に人口と資産が高密度に集積している埼玉県南部、東京都沿川区間を大規模な降雨から守るため、大規模な調節池を建設するもの。左岸側の高水敷を囲むように囲繞堤を整備し、面積約760fを調節池として活用できるようにする。施工場所はさいたま市、川越市、上尾市に跨がり、全体事業費は約1670億円。本年度に荒川調節池工事事務所を新設し、現在は用地取得などを進めている。
 関東地整は同事業について、初期段階からBIM/CIMを活用し、事業執行を円滑化するとともに、現場の生産性を大幅に高めたい考えだ。このため、BIM/CIM活用支援業務の中で、別途に設計する水門や囲繞堤などの3次元データ、地質調査業務の成果、地形データなどを連係させて統合的なモデルを構築する。3次元モデルを生かした施工管理の改善、一般向けに見せ方を工夫した広報手法も検討する。業務の履行期間は21年度末まで。
 3次元データはサーバー上で管理し、ASPを介して設計業務や工事の受注者、発注者がアクセスする形を想定している。事業の進展に合わせて修正設計の成果を反映したり、複数の施工者間の調整に生かすなど、大規模な事業の効率化にも生かしたい考え。事業着手から設計、施工、維持管理の各段階で3次元データを活用し、成果と課題を探る。試行を通じて管内でのBIM/CIM活用の経験の蓄積、浸透も目指す。

提供:建通新聞社