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建通新聞社(中部)
2020/12/04

【三重】三重県教育委員会 盲学校と聾学校を津市城山に移転新築

 三重県教育委員会は、県立盲学校と県立聾学校の2校を、津市城山の県有地に移転新築し、併せて共有の寄宿舎を建設する計画を発表した。寄宿舎は2023年度中の完成、校舎は25年4月の開校を目指す。県では21年度当初予算に基本設計費を要望しており、予算化されれば、21年度に基本設計を実施し、その後22年度に詳細設計、23〜24年度に建設工事を行う事業スケジュールを想定している。事業規模や事業費などは未定で、詳細は設計の中で詰めていく考えだ。
 盲学校(津市高茶屋4ノ39ノ1)の校舎は1965年、聾学校(津市藤方2304ノ2)の校舎は71年に建築しており、築後約50年が経過し老朽化が進んでいる。併せて、聾学校は海岸に近く、津波浸水想定区域内に立地しており、防災上の課題も挙げられていた。そこで、城山1にあった県施設の旧県立小児心療センターあすなろ学園(以下、あすなろ学園)、旧草の実リハビリテーションセンター(以下、草の実センター)の跡地(整地済み)に移転新築する案がまとまった。
 計画では、あすなろ学園の跡地(津市城山1ノ498ノ2)約1万7000平方bに、盲学校と聾学校の校舎と体育館などを建設する。両学校の校舎棟を一体化するか、分離するかなどの形態や配置は未定。同敷地の道路を挟んだ北側に位置する草の実センター跡地(城山1ノ353ノ13)約1万5000平方bに、両校共有のグラウンド、駐車場などを整備する。それぞれの面積など未定。
 寄宿舎については、あすなろ学園の跡地の東側に隣接する県立城山特別支援学校(津市城山1ノ5ノ29)の敷地内の駐車場に新たに施設を建設する計画。既設の盲学校、聾学校にある寄宿舎と城山特別支援学校にある寄宿舎の3施設を統合する形になる。寄宿舎の事業スケジュールは、2021年度に設計を行い、22年度から工事に着手し、23年度中の完成を目指す。浸水区域にあることや老朽化への対策として、校舎建設に先駆けて整備し早期に供用することで生徒の安全の確保を図る考えだ。
 既設校の概要を見ると、盲学校(高茶屋)は、管理教室棟(鉄筋コンクリート造3階建て延べ3025平方b)、寄宿舎2棟、体育館など8施設で構成。敷地面積は1万3553平方b。小・中・高等部があり、生徒数は5月1日現在で25人。聾学校(藤方)は管理棟(鉄筋コンクリート造3階建て延べ926平方b)、普通教室棟、寄宿舎、体育館など9施設で構成。敷地面積は2万8387平方b。幼・小・中・高等部があり、生徒数は同現在で85人。両校の移転後の跡地利用については未定。
 県の予算編成方針では、原則、新規のハコ物を抑制していたが、県民の生命などに関わるものなど緊急度が高いものに限り予算要求できるものとしており、この観点から事業化が図られた。

提供:建通新聞社