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建通新聞社(東京)
2020/12/08

【東京】「業務効率化に寄与」 建設現場の遠隔臨場

 国土交通省関東地方整備局は、2020年度から試行を本格化した建設現場の遠隔臨場について、管内での実施状況をまとめた。監督職員を対象に意見を聴取したところ、材料の寸法確認などについては遠隔で十分対応できることを確認。立ち会いのための移動時間や待ち時間をなくすことで「現場における業務の効率化に寄与した」と評価した。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とする場合は、受注者の希望により遠隔臨場を導入した場合も発注者が費用を負担しており、関東地整ではさらなる普及に向け、21年度以降も同様の措置を取るよう国交省本省に求めている。
 遠隔臨場は、段階確認や材料確認、立ち会いといった受発注者間の監督業務を非対面で実施するもの。小型のカメラなどのICT機器を用いて現場の映像、状況を配信し、監督職員が遠隔地からモニタリングする。
 当初は各地整で年間10件程度の試行を想定していたが、新型感染症の拡大を防ぐ目的も加わり、利用が拡大。関東地整では9月末時点(予定含む)で、全国最多の29事務所125工事で導入している。
 関東地整が活用状況を調べたところ、監督職員が複数の立ち会いを掛け持ちしたり、受注者の待機時間を減らすことができ、受発注者双方の業務の効率化につながったという。
 また、▽材料確認▽工場検査▽コンクリート試験▽鋼矢板や根固めブロックの設置数−などの立ち会いについては遠隔臨場で十分に対応できることも確認。効率化できた時間は、関係機関との調整や安全対策など、より注力すべき業務に振り分けられると評価した。
 課題については、現場条件によっては通信が不安定になることを指摘する意見があった。また、今後の「5G」の普及による遠隔臨場の円滑化を期待する声も寄せられた。
 会議室に遠隔臨場の専用スペースを設けた例や、複数の受注者が連携して機器のレンタル業者を統一し、監督用PCを集約して設置した例もあった。
 また、業界団体との意見交換でも遠隔臨場のさらなる推進を求める意見が相次いだ。

提供:建通新聞社