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建通新聞社(中部)
2020/12/08

【岐阜】木曽川水系 国と県の排水機場統合・新設へ実施検討

 国土交通省中部地方整備局は、木曽川水系牧田川と水門川合流部にあり老朽化が進む「新水門川排水機場」について、岐阜県の旧水門川排水機場と統合した排水機場を新設する案をまとめる方針だ。統合案イメージ図
 12月3日に木曽川水系流域委員会(委員長・辻本哲郎名古屋大学名誉教授)の2020年度第1回会合をWEB会議方式で開き、特定構造物改築事業について計画段階評価の対応方針(原案)を審議し、統合して新設する対応方針(案)に決めた。今後、新規事業採択時評価の実施に向けて、省内で詳細の検討を進める。
 1961年6月に累加雨量500_梅雨前線豪雨で大垣市内に1万戸以上の浸水被害をもたらした雨量と同規模の床上浸水被害を防止することを目標に、現在の両排水機場より下流に統合した排水機場の新設を目指す。
 案の検討では、河川を中心とした方策と流域を中心とした方策の26方策から実現可能な3方策に絞り込み、さらに治水安全度など七つの評価を軸とした総合評価を行った結果、コスト面では統合して新設する方策が最も有利で、他の評価項目でも評価を覆すほどの要素はないとした。
 総合評価によるコストの試算では、完成までの費用などに約300億円、50年間の維持管理費用に約60億円と試算している。また実現性では用地取得が必要だが、範囲が限定的なことから実現性が高いとしている。
 水門川は、輪之内町塩喰で揖斐川の支流の牧田川に合流する河川。流域のある大垣市は、東海道新幹線やJR東海道本線、名神高速道路、国道21号などの主要交通沿線を中心として宅地や商業開発が進行し、人口や資産が集積している。
 流域は、東に揖斐川、西に杭瀬川、北に平野井川などに囲まれた平坦な地形で、出水時には揖斐川や牧田川、杭瀬川の水位が高くなり、自然排水が困難になる。そのため流末に国が新水門川排水機場、県が旧水門川排水機場を設置し内水被害の防止に努めてきた。
 しかし、両排水機場ともに老朽化が著しいことから抜本的な対策の検討を進めている。

提供:建通新聞社