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建設経済新聞社
2020/12/15

【京都】北山エリア整備基本計画最終案 複合芸術拠点は令和7年度から工事

 京都府は14日、北山エリア整備基本計画(最終案)を府議会文化・教育常任委員会に報告。整備スケジュールや完成イメージを明らかにした。
 同計画は、京都市左京区の旧府立総合資料館や府立大学、府立植物園などがある北山エリアについて整備の方向性を示すもの。9月〜10月に骨子案のパブリックコメントを行い、最終案をまとめた。
 北は北山通、東は下鴨中通、南は府立大学の南側境界、西は賀茂川に囲まれている範囲を北山エリアと設定。面積は約38fあり、用途地域は第二種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率が200%)。高度地区は20m第1種高度地区(植物園の部分は12m第1種高度地区)。そのほか、山並み背景型建造物修景地区(植物園の部分は風致地区第4種地域、北山通沿道は沿道型美観形成地区)。
 想定される主要施設として、@舞台芸術・視覚芸術拠点施設(シアターコンプレックス)A大学共同体育館(アリーナ)B植物園の3施設を挙げた。
 旧府立総合資料館跡地に整備する舞台芸術・視覚芸術拠点施設(シアターコンプレックス)は、老朽化の進む府立文化芸術会館、11月に閉館した京都こども文化会館の機能を継承するとともに、新たな文化芸術拠点と賑わい・交流の創出を目指す施設として、演劇、バレエ、ダンス、伝統芸能、コンサート等の創作活動から興行利用まで、多様な文化芸術活動に対応でき、資材の搬出入などの運営面を含めて柔軟性の高い施設とする。そのために必要な諸機能や性能(防音性能・耐震性能)、設備を備え、安全で機能性に富んだ使いやすい施設を目指す。
 主な想定諸室は、ホール機能(メインホール(舞台、客席500〜600席)、楽屋、調整室等、楽屋口、搬入口、荷捌きスペース、倉庫等)、展示機能(展示室(ギャラリー)、ホワイトキューブ等)、創作機能(創作スペース・練習室、作業室等)、交流機能(エントランス、ホワイエ、コミュニティスペース等)、管理機能(施設管理者事務室、倉庫等)。
 府立大学・府立医科大学・京都工芸繊維大学の3大学が共用予定の共同体育館(アリーナ)は、大規模災害発生時の避難や、災害復旧時の拠点としても使用できる設備を整える。
 主な想定諸室は、メインアリーナ(バスケットコート×3面、観客席約1万席程度(可動席・移動席含む)、サブアリーナ(バスケットコート2面、武道場)、その他(医務室、キッズルーム・授乳室、放送・音響・調光室、多目的室、トレーニング室、スポーツ・体力測定諸室、エントランスホール・ロビー、クラブボックス等)、管理機能(事務室(施設管理室)、応接室(来賓室)、会議室等)。
 再整備する植物園は、植物園の顔にふさわしい環境に調和したエントランスや、来場者が利用しやすく、動線に配慮した施設の整備・配置とする。また雨天時でも広場を使用できるように大屋根を整備する。
 来園者のお土産等の購入を想定し、屋内外に商品等を展示できるような施設を整備する。
 主な想定諸室は、来園者サービス機能向上としてインフォメーションセンター、ビジターセンター、正門エントランス、大屋根広場等、アミューズメント機能向上としてミュージアムショップ、ボタニカルショップ、カフェ・レストラン、ホール等、教育・研究機能向上として植物標本庫、常設展示室、図書コーナー、研究室、研修室、多目的室等、管理機能として事務室、会議室、倉庫等。観覧温室は建替え又は改修を行う(観覧温室、機械室、バックヤード等)。
 整備運営手法は、従来の公共工事の手法だけでなく、官民連携手法(PPP)の活用も想定し、各施設の態様に合わせて最適な手法を検討する。
 整備スケジュールによると、舞台芸術・視覚芸術拠点施設(シアターコンプレックス)は、公募準備を経て、令和3〜4年度にかけて事業者公募を行い、令和4〜5年度にかけて解体工事、令和6〜7年度に埋蔵文化財調査を行った後、令和7〜9年度に建設工事を実施し、令和9年度中の供用開始を目指す。
 大学共同体育館(アリーナ)は、公募準備を経て、令和3〜4年度にかけて事業者公募を行い、令和4年度に解体工事、令和4〜5年度に埋蔵文化財調査を行った後、令和5〜6年度に建設工事を実施し、令和6年度中の供用開始を目指す。
 植物園は、公募準備を経て、令和3〜4年度にかけて事業者公募を行い、令和4〜5年度に解体工事を行った後、令和5〜7年度に建設工事を実施し、令和7年度中の供用開始を目指す。
 なお府は北山エリア整備基本計画策定業務について、公募型プロポーザルで有限責任あずさ監査法人(東京都新宿区)を選定。今年7月に1990万0245円で契約した。