開催が1年延期となった東京オリンピック・パラリンピック競技大会の大会経費は、新型コロナウイルス感染症の影響などもあり、これまでの見込みから2940億円増え、総額1兆6440億円となる見通しだ。追加費用のうち、最も増加幅が大きいのが、競技会場の設営に必要な仮設設備の一時撤去・再設置に関する予算。今回730億円増となり、総額で3890億円となった。この他新型コロナウイルス感染症対策として、中央区晴海の選手村に仮設の医療施設を整備する。会場周辺の交通対策も更新し、通行規制エリアの一部を見直すとともに、規制の期間や時間を具体化した。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が12月22日、大会経費の予算V5(バージョン5)を発表した。
このうち、プレハブやテントを含めた仮設オーバーレイの一時撤去や再設置に必要となる仮設費用について、今回730億円のプラスした。
この他、中央区晴海の選手村では、臨時の医療施設を整備することで医療体制を強化する。このほど組織委員会が設計・施工一括発注による条件付一般競争入札の手続きを開始。入札参加表明を2021年1月6日まで受け付け、1月26日に開札する。
受注者は、仮設施設とインフラ、設備・機器などを整備し、競技大会終了後に原状復旧するための実施設計と施工業務を担う。設計と仮設設置工事を21年5月31日までに行いし、撤去・復旧工事を本大会終了後から同年10月15日までに完了させる。
競技会場周辺の交通混雑を緩和するための対策については、会場ごとに進入禁止エリア、通行禁止エリア、迂回(うかい)エリア、専用レーン・優先レーンを設定する。企業やドライバーに対し、大会期間中を中心に自動車利用を控えたり、利用時間を変更したりするよう求める。
例えば、オリンピックスタジアムと東京体育館の周辺エリアでは、首都高速道路の外苑IC(インターチェンジ)の入り口が、上下ともに21年7月3日から関係車両以外は終日通行禁止となる。各会場で、周辺の都道や区道でも車道の通行規制が実施される予定。規制の内容や期間、時間帯は、都と組織委員会のホームページに掲載・随時更新している。
提供:建通新聞社