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建通新聞社(東京)
2021/01/07

【東京】都 都営住宅の耐震化、25年度末に100%へ

 東京都住宅政策本部は、都営住宅の耐震化を加速し、2025年度末までに100%完了する目標を設定した。特に、分譲店舗を住棟に併設している「併存店舗付き住棟」の耐震化率が19年度末時点で47・7%にとどまり、分譲店舗がない「純住棟」の耐震化率97・5%と比べ進んでいないことから、店舗付き住棟の対策に重点的に取り組む。建て替え・撤去対象の住宅では店舗の買い取りに向けて店舗権利者との合意形成と移転先の確保などを進める。耐震改修をする住宅については、22年度末までに全店舗権利者の意向を把握することを目指す。
 都営住宅のうち、新耐震基準適用前(1981年以前)の住宅は11万1022戸あり、耐震化が必要な住宅は2019年度末時点で1万0535戸となっている。
 このうち、建て替え対象の住宅は5265戸で、内訳は純住棟が4576戸、併存店舗付き住棟が689戸。撤去対象の住宅数は697戸で、純住棟が505戸、併存店舗付き住棟が192戸。また、耐震改修によって既存建物の耐震化を図る住宅数は4573戸。純住棟が1033戸、併存店舗付き住棟が3540戸となっている。
 純住棟の19年度末の耐震率は、97・5%。耐震改修の対象としている住宅については、設計が全て完了していることから、今後、工事を順次進めていく。建て替えで耐震化を図る住宅は、段階的に複数の工期に分けて事業を進めている大規模団地の一部で当初の予定よりも遅れが生じているものの、25年度末までに完了する見込みだという。
 一方、併存店舗付き住棟の耐震化率は19年度末で47・7%。建て替えや撤去で耐震化するケースでは、都が全ての店舗を買い取る必要があるものの、店舗売却による生活再建への不安などを理由に、店舗権利者との合意形成に時間を要する場合がある。そこで、状況に応じて店舗権利者の移転先の確保などの対策を進める。
 耐震改修の場合でも、工事による営業への影響や改修費用の負担があることから、店舗権利者との合意形成が難しいケースがある。対策として、一部の店舗区画を買い取り、その内部に補強部材を集約配置することで、効率的に耐震改修を進めていく仕組みを18年度から導入しており、引き続き、営業を継続する店舗への工事の影響と費用負担の軽減を図る。加えて、店舗権利者への説明業務の外部委託を継続して実施し、合意形成に向けた取り組みを強化する。
 この他、敷地の安全性を確保するため、不特定多数が通行する道路に面する塀などについては、撤去や改修などの対策を実施する。

提供:建通新聞社