トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設新聞社(長崎)
2021/01/13

【長崎】県 九州・長崎IR区域整備実施方針公表

国際会議場や展示施設、カジノなど
   区域への交通アクセス強化や拠点整備も

 県は7日、九州・長崎特定複合観光施設(IR)の区域整備実施方針を公表した。事業の目標や期間、IR整備区域の位置・規模、構成施設の種類、さらにはIR事業を行う民間事業者の募集・選定事項を盛り込んでいる。IRには、収容人員1万2000人以上の国際会議場や2万平方b以上の展示施設などを整備する方針だ。
提案可能港湾区域
 事業の目標は、九州・長崎にIR区域を整備することで、観光・地域経済の振興や日本全体の経済成長につなげるとともに、地方公共団体の財政改善、周辺地域の活性化、内外交流人口の拡大、地域の振興・発展を目指すこと。事業期間は35年間で、設置運営事業者の申出を踏まえて、延長に向けた協議を行うことができる(延長期間の目安は30年間)。
 IR予定区域はハウステンボスエリアの西側(佐世保市ハウステンボス町6ノ1ほか)の約31f。この南側に面する早岐港港湾区域の一部(早岐港ハウステンボスマリーナ、ハウステンボスハーバーを含む)も区域に含めて、一体的な事業の提案も可能とする(図参照)。区域内には、カジノ施設、国際会議場、展示施設、魅力増進施設、送客施設、宿泊施設といった中核施設のほか、これらと一体的に設置・運営される来訪・滞在寄与施設≠整備。
 このうち国際会議場は、施設全体の収容人員1万2000人以上で、最大収容人員6000人以上の会議室を備えたもの。展示施設は床面積2万平方b以上。魅力増進施設は、日本・九州の伝統・文化・芸術などの観光的魅力を、効果的な手法で国内外の幅広い人々に発信。送客施設は、▽日本観光の魅力や情報を発信するショーケース機能▽利用者の関心に応じて旅行計画を提案し必要なサービスをワンストップで提供するコンシェルジュ機能―を有する。また、多言語対応や、多数の来訪者に対応可能な施設規模も確保する。宿泊施設は、客室延べ床面積が概ね10万平方b。様々なタイプの客室と、質の高い飲食サービスを提供する。カジノ施設は、IR施設の床面積の合計の3%を超えない規模で適切に設置・運営する。
 IRの設置運営事業者に対しては▽交通アクセス強化や拠点の形成▽従業員の住居環境整備▽周辺住宅地の生活環境への影響の最小化▽県・市が実施する交通・生活インフラ整備に対する協力▽広域観光の促進▽訪日観光客増への取組と受入環境整備▽質の高い雇用、人材確保・育成▽地域経済の振興・地域社会への貢献▽防災拠点機能形成・危機管理・防災対策―などへの協力を義務化する。
 交通アクセス強化と拠点形成については、▽早岐港(ハウステンボス地域)と大村港(長崎空港隣接)を活用した海上交通ネットワークの形成と、旅客ターミナルの整備・運営▽広域バス交通ネットワークの形成と、IR区域内に送客機能を兼ねたバスアクセス拠点の整備▽JRハウステンボス駅とIR区域内を結ぶ新交通機関の導入、適正な駐車場計画など、周辺道路の渋滞対策・交通安全対策の実施▽公共ハーバー・マリーナの再開発などによる大村湾と一体となった利活用―などを挙げている。
 県では、設置運営事業者を今夏〜秋に選定し、基本協定を締結。その後、冬にかけて区域整備計画の作成や公聴会を行って、22年春頃に区域整備計画に対する佐世保市の同意、県議会の議決を経て、国に申請する予定だ。
ksrogo