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建設経済新聞社
2021/01/28

【京都】流域下水経営審でいろは呑龍トンネルを再評価 事業費約40億円増の見通し

 京都府は27日、流域下水道事業経営審議会第3回投資部会を開き、桂川右岸流域下水道事業(雨水対策事業)(いろは呑龍トンネル)を再評価した。
 いろは呑龍トンネル事業は、平成21年度に府公共事業評価委員会で事業再評価を実施。その後10年が経過したことから、事業継続の必要性について再評価を行うもの。
 平成30年度に流域下水道事業が公営企業に移行したことに伴い、従来の府公共事業評価委員会ではなく、流域下水道事業経営審の中で事業の継続性を判断することとした。いろは呑龍トンネル事業については、今回の事業評価で事業継続の必要性が確認された上で、流域下水道事業経営戦略に位置付ける。
 大雨時の水を一時的に貯留する地下トンネルや呑龍ポンプ場などを整備する、いろは呑龍トンネル事業の事業箇所(区域)は京都市、向日市、長岡京市の一部。
 シールドトンネルの全体延長は約9・0qで、雨水北幹線(内径φ3・0〜8・5m)4919m、雨水南幹線(内径φ3・5m)4068m。呑龍ポンプ場、ポンプ(5m3/s)3基、調整池。このほか、公共下水道接続施設が6ヵ所(平成30年度〜令和5年度)。
 平成7年度に事業着手。平成8年度に工事着手し、平成13年に雨水北幹線1号(φ8・5m、L935m)が供用開始、平成23年に北幹線2号(φ3・0m、L2864m)、3号(φ6・2m、L1120m)が供用開始した。北幹線の貯留量は10万7000m3。
 全体事業費は490億円(うち用地費9億2000万円)とした(平成21年度評価時は450億円)。令和2年度末投資額累計は451億円(うち用地費8億2000万円)。進捗率は92・0%(うち用地費89・1%)。残事業費は39億円(うち用地費1億円)。
 事業費増減の内訳は、社会的要因による増が約25億円で、労務単価や資材単価の上昇や消費税率の引き上げ等に必要な費用を計上するもの。
 公共下水道接続施設の計画変更による増が約19億円で、当初は雨水南幹線付近に接続施設を設置予定だったが、適地がなく、南幹線から離れた位置に変更するもの(和井川、五間堀川2・3)。
 呑龍ポンプ場のニューマチックケーソン工法への見直しによる増が約6億円で、土質調査の結果、硬質地盤等が確認されたため、圧入オープンケーソン工法から変更した。
 調整池の容量見直しによる減が約10億円で、公共下水道接続施設箇所の変更に伴い追加となった接続管渠や呑龍ポンプ場のポンプ井の容量を貯留量に見込み、調整池容量を変更するもの。
 南幹線管渠の対策量を4万1000m3から6万3250m3に増やし、調整池の対策量(容量)は4万1750m3から1万9500m3に縮小する。
 費用便益比(B/C)は、全体計画で1・32、暫定供用時で1・12と算出。残事業の効率性でB/Cは4・53と算出した。
 府の方針として、計画通り事業継続する必要があるとし、流域下水道事業経営戦略に位置付け、引き続き事業を推進する、とした。
 事業進捗によると、南幹線管渠、呑龍ポンプ場、接続施設2ヵ所整備(○和井川○五間堀川−5)は工事契約済みで、令和3年12月頃までに暫定供用の見込み。
 南幹線の暫定供用で、向日市、長岡京市内の2つのエリアで新たに効果を発現。取り込んだ雨水を貯留しながら同時に放流する機能が加わることで、機能が大幅に増強され、北幹線の治水安全度も向上するとともに、多様な降雨への対応が可能となる。
 令和3年度以降に着手する調整池、ポンプ(5m3/s)1基が今回の評価対象。このほか、接続施設4ヵ所整備(○前小川○五間堀川−1○五間堀川−2・3○五間堀川−4)を予定。令和5年度の完成を予定。
 いろは呑龍トンネル事業の着手以降、阪急京都線洛西口駅(平成15年)、JR西日本東海道本線桂川駅(平成20年)、阪急京都線(洛西口駅付近)連続立体交差化事業(平成27年)、向日市阪急洛西口駅東地区土地区画整理事業(平成26年)、イオンモール京都桂川(平成26年)、阪急京都駅西山天王山駅(平成25年)など鉄道駅の開業や大型商業施設などの開発が進展。これらに加え、阪急洛西口駅西側では新たな開発が計画されている(一部令和7年予定)。