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北陸工業新聞社
2021/02/10

【福井】再選した岩倉光弘南越前町長に聞く/「元気で誰もが住みたくなるまち」を/地域の資源、資産に磨き

 2日告示の南越前町長選挙で、町民に優しいまちづくり、安全安心して暮らせるまちづくり、活き活きと働けるまちづくりなど総合計画に基づくまちづくりの推進を公約に掲げ、無投票で再選を果たした岩倉光弘氏。北陸自動車道南条SAに隣接する地域振興施設(道の駅)の着工など、確かな実績を残した1期目と同じく、「元気で誰もが住みたくなるまち」をスローガンに、引き続き町政の舵取りを担う岩倉町長に2期目の課題と抱負を聞いた。

 大きな課題は人口減少と地域活性化。若者が定住できるような、思い切った住宅政策や子育て支援策を引き続き推進しながら、地域の活性化に向け交流人口を拡大させるための観光事業に取り組んでいきたい。
 観光の柱は4つ。まず、北前船寄港地・船主集落として日本遺産になった中村家住宅を2年後に一般公開したい。
 2つ目は今庄宿。北国街道屈指の宿場町であった街並みを残すため、昨年12月に国重要伝統的建造物群の地区指定の申し出を行った。誘客には見るもの、食べるもの、土産物が不可欠。地元の古い建物を活用し、資料館も設置できれば。
 3つ目は鉄道遺産。昨年6月に日本遺産に認定されており、敦賀市、長浜市と連携し、観光誘客につなげる。
 4つ目は国指定史跡の杣山城跡。居館跡を4年間で整備し、隣接の「花はす公園」とあわせて観光の目玉にしたい。
 課題は他にも多々あるが、その1つが町内3中学校の統合。22年4月開校予定で、校名は決まったが、校歌や制服などがまだ。教室数も足りないので、統合中学校の校舎として利用する南条中の改修工事を21年度に実施したい。
 並行在来線も課題。第三セクターとして県と沿線自治体で運営するが、沿線7市町で町は南越前町だけ。財政規模に差はあるが、町内4つの駅を守り、利便性を確保していきたい。
 町内で3事業者が計画している風力発電に関しては、地元から賛成が得られていないのも事実。国の動向を見極めながら、町としてしっかり判断しないといけない。
 滋賀県境では国道365号栃ノ木峠の道路改良が進んでおり、整備効果は非常に大きい。現在、明かり部を県が改良しているが、トンネルは国で、と要望している。早期事業化を目指したい。
 年間約390万人が立ち寄る北陸自動車道南条SA上りに隣接して整備中の道の駅「南えちぜん 山海里」は今秋オープン。国土交通省のモデル事業の採択も受けた、まさに地域の活性化につながる施設。しっかり力を入れていきたい。
 また、最近は集中豪雨、地震、台風など災害が頻発しているので、自主防災組織の設立促進など防災体制を一層強化し、災害に強い安全安心なまちづくりを進める。高齢化率も非常に高いので、お年寄りが家に閉じこもらず、交流を楽しめるよう、ふれあいサロンもしっかり推進したい。
 雪に強いまちづくりの継続、森林環境贈与税の活用による森林整備も重要。3年前にはハス産地のつながりで台湾・台南市白河区と友好交流協定を締結しており、今はコロナ禍でストップしているが、国際交流にも取り組みたい。
 南越前町は豊かな自然があって、歴史的な文化遺産にも恵まれている。国の重要文化的景観に選定されることになった越前海岸の水仙畑、南条SAなどもまちの資源、資産であり、財産。これらをしっかり活かし、さらに磨きをかけ、引き続き「元気で誰もが住みたくなるまち」を目指して一生懸命頑張りたい。

いわくら・みつひろ 南越前町総務課長、副町長などを歴任し、17年の町長選で初当選。66歳。「無投票再選は町民や関係者の方々のご理解、ご支援のおかげ。4年間の活動がある程度認められたという思いと同時に、責任の重さを感じる」。

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