トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2021/02/12

【石川】県産材供給量30万立方メートル、倍増へ/いしかわ森林ビジョン2021/−県−/年度内に改定

 石川県はこのほど、『いしかわ森林・林業・木材産業振興ビジョン2021(仮称)』の改定案をまとめた。今後、意見募集(パブリックコメント)を行った上で、年度内に改定する。
 新ビジョンの計画期間は21〜30(令和12)年度末まで。基本的な考え方として「森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるためには、人工林は循環利用(伐って、使って、植えて、育てる)し、経済林として管理することが重要(ただし、管理放棄された手入れ不足人工林は環境林として針広混交林化を進め、公益的機能の回復を図ることが必要)」とし、経済林の循環利用を最重点課題に位置付けている。
 施策の方針としては、(1)【林業の魅力ある産業としての飛躍的な発展】(「スマート林業の実践展開により、林業収益力を向上させ、主伐・再造林を推進(ドローンによる資源量調査やICTを活用した丸太の生産と需要のマッチングなど)」「所有者が管理できない経済林を意欲と能力のある林業経営者へ集積」「スマート林業を担う人材の育成や、伐採作業の安全対策を強化」)、(2)【木材産業の体制強化と県産材の利用拡大】(「工務店等の需要に応える製材品等の生産・供給体制を強化(人工乾燥材、集成材、CLT等の付加価値の高い製材品等の生産設備の導入を支援)」「住宅に加え、非住宅建築物での県産材利用を促進(中大規模木造建築物の設計者育成や県産材製品の情報〈規格、納期等〉提供窓口の設置、県産材ロゴマークによるPR)」、(3)【多様で健全な森林の整備・保全】(「手入れ不足人工林の整備〈森林バンク制度〉や放置竹林の除去、緩衝帯の整備を推進《いしかわ森林環境税、森林環境譲与税も活用》」「治山施設の機能強化や老朽化対策、海岸防災林の整備を推進」、(4)【里山資源を活かした山村の振興】(「里山振興ファンドにより、生業の創出や担い手づくりを支援」「のとてまり等の特用林産物の生産を拡大」)の4項目を盛り込んだ。
 各種施策を展開することで、最終年度までに県産材供給量は現在の15万立方メートルから30万立方メートルに倍増、製材品生産量についても3・4万立方メートルから2倍強となる7万立方メートルを目指していく。

hokuriku