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建通新聞社
2021/02/16

【大阪】淀川水系河川整備計画の変更手続きに着手へ

 国土交通省近畿地方整備局と淀川水系2府4県(大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、三重県)の担当部長らが出席した淀川水系関係6府県調整会議の第3回会議が2月12日、ウェブ会議形式で開かれ、淀川水系河川整備計画の見直しについて、河川法に基づく変更手続きに入ることを確認、了承した。各府県からは、大戸川ダムの整備をはじめ、毛馬排水機場の更新、木津川上流部の改修などへの要望もあり、今後、見直しの内容などについての案を近畿地整が提示、具体的な検討を進めていくことになる。
 各府県が報告した河川整備の目標や整備内容についての検討状況、さらに近年頻発している豪雨災害や今後の気候変動に伴う豪雨の激甚化、頻発化を踏まえ、淀川水系で新たな整備目標や整備内容の検討を進めていくことを確認。河川整備計画の変更手続きに入ることが決まった。
 各府県からの報告によると、大阪府からは「淀川の大規模浸水被害のリスクを回避するため、治水効果があると判断。前向きに考えたい」と大戸川ダムの整備について話があり、河川整備計画の見直しの中で具体的なスケジュールや事業費などを示すことを求めた。また、淀川・毛馬排水機場の更新についても要望した。整備局は「河川整備計画の見直しを進めるための参考資料としてスケジュールや事業費なども示せたらいい」と答えた。
 京都府からは「桂川などのさらなる河道掘削に取り組むため、大戸川ダムの整備に着手する必要性が高まっている。必要性を精査しながら十分な検討を進めてほしい」などとした府の技術検討会の提言内容を紹介。「流域治水」の考えを取り入れた見直しが進むことを期待した。
 滋賀県は大戸川ダムの整備の他、天ケ瀬ダムの再開発、瀬田川の改修にも触れながら、淀川水系全体の治水安全度の向上に向け、変更手続きを進めることに賛成した。
 兵庫県は、一庫ダムの洪水調節機能のさらなる向上や猪名川水系の治水安全度の向上などを要望。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」による予算の有効活用に期待した。
 奈良県や三重県も木津川上流部や狭窄(きょうさく)部の改修を含め、河川整備計画の変更手続きを進めることを了承した。
 昨年7月の第1回会議で国土交通省近畿地方整備局が示した河川整備計画を見直す場合の目標を達成するために必要な事業案は次の通り。
【現行計画目標達成に必要な事業】
 ▽淀川で河道掘削44万立方b、阪神なんば線橋梁架け替え▽宇治川で天ヶ瀬ダム再開発、大戸川ダム整備▽桂川で河道掘削200万立方b、嵐山改修▽木津川上流で木津川改修(上野遊水地関連含む)、名張川改修、川上ダム▽瀬田川で鹿跳改修▽猪名川で河道掘削10万立方b
【目標を変更する場合に新たに必要な事業】
 ▽淀川で河道掘削300万立方b、下流橋梁架け替え▽宇治川で河道掘削20万立方b▽桂川で河道掘削300万立方b、ダム再生▽木津川下流で河道掘削18万立方b▽木津川上流で木津川改修、名張川改修、宇陀川改修、ダム再生▽野洲川で河道掘削2万立方b▽猪名川で改修、ダム再生
【実施時期や実施手順を個別に判断し順次実施する事業】
 ▽淀川で高規格堤防、毛馬排水機場更新、淀川大堰閘門設置、支川(芥川)改修、堤防強化▽宇治川で大島樋門改築、堤防強化▽桂川で堤防強化▽木津川下流で堤防強化▽木津川上流で堤防強化▽瀬田川で洗堰改築、大津放水路2期、堤防強化▽野洲川で河川防災ステーション整備、堤防強化▽猪名川で堤防強化

提供:建通新聞社