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建通新聞社(東京)
2021/03/01

【東京】都財務局 電子契約の導入検討

 東京都財務局は、建設工事の請負契約について、クラウド型の電子契約サービスの導入に向けた検討を進めている。都独自のシステムを開発するか、または民間企業の電子契約サービスを活用するかを比較検討している段階。一方、政策企画局では、電子契約サービスを提供する民間企業3者と連携し、押印の代わりに電子署名を活用してクラウド上で契約を結ぶ実証実験を開始する。この実験に関しては、入札の必要がない少額の物品購入などの契約が対象になる見込み。
 都は現在、入札案件の公告から入札までの一連の手続きをオンライン上の「電子調達システム」で実施している。ただ、契約締結以降の手続きは書面でやりとりする必要があるため、電子化に向けたシステムを構築したい考え。
 一般的な電子契約は、契約書をオンライン上にアップロードし、契約の相手方が承認して契約締結が完了、契約書も自動で保管されるクラウド型が主流。
 これまでは、地方自治法で民間のクラウド型電子契約サービスを利用することが認めてられていなかったことから、地方自治体が電子契約を推進するためには独自のシステムをゼロから開発するしかなかった。
 しかし、1月29日付で地方自治法施行規則が改正・施行。地方自治体でも民間企業が発行する電子署名法に則った電子証明書の利用が可能となった。
 この法改正を受け、都でも、都独自のシステム開発と民間のクラウド型電子契約サービス活用の両面から電子契約サービスの導入を検討することにした。
 都で独自のシステムを開発する場合には、開発期間や費用、技術力といった点で解決すべき課題が多い。一方、民間企業のシステムを導入する場合でも、セキュリティーの確保に加え、業者選定の方法や基準を決める必要があるなど、検討事項が多いことから、電子契約サービスの運用開始に向けた今後のスケジュールは未確定だという。

=政策企画局は民間と連携=

 政策企画局では、少額の物品購入などの契約や都と区市町村・企業との間で締結する協定などを対象に電子契約サービスの実証実験を開始する。これに向け、GMOグローバルサイン・ホールディングス(渋谷区)とセコムトラストシステムズ(渋谷区)、弁護士ドットコム(港区)の3者と連携することを決めた。
 対象となる手続きの詳細は事業者と調整した上で決定する。公共工事入札に関連した業務は含まない見通し。実証実験の期間は2022年3月末までを予定している。