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建通新聞社
2021/03/03

【大阪】淀川水系整備計画変更原案に大戸川ダム盛る

 国土交通省近畿地方整備局は、淀川水系河川整備計画の変更原案を公表、淀川水系の2府4県(大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、三重県)から要望が出されていた大戸川ダムについても本体工事を含む整備を行うことが盛り込まれた。3月3日に開かれる淀川水系流域委員会地域委員会・専門家委員会の合同会議で、変更原案を示す他、流域住民らからの意見も踏まえ、今後河川整備計画変更案を作成する。
 変更原案には、河川の流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で行う治水対策「流域治水」を推進することを掲げた。直近の洪水や気候変動などを踏まえ、宇治川や桂川、木津川、猪名川で河川整備計画の目標を見直し、関連して淀川本川でも計画規模洪水を安全に流下させることができるようにする。
 大戸川ダムが計画されている山科川合流点より上流の宇治川では、天ケ瀬ダム再開発事業による天ケ瀬ダムの放流能力の増強とともに大戸川ダムの整備を実施、合わせて河道掘削も行う。大戸川ダムの現段階の諸元は重力式コンクリートダムで、高さ約67・5b、総貯水容量は約2210万立方b、洪水調節容量は約2190万立方b、堆砂容量は約20万立方b。建設地は左岸側が大津市上田上牧町地先、右岸側が大津市上田上桐生町地先。
 この他、淀川本川では橋梁の架け替えの検討を進める。事業中の阪神電鉄なんば線橋梁の改築事業に加え、流下能力を確保するために必要となる橋梁架け替えを検討し、関係機関と調整した上で実施。伝法大橋、淀川大橋、阪急電鉄神戸線橋梁の改築についても関係機関と順次調整を図り、引き続き検討する。さらに、三川合流点下流の河道掘削、毛馬排水機場のポンプ設備の更新と淀川大堰ヘの閘門設置、支川の芥川での河道掘削、護岸整備なども盛り込んだ。
 桂川や木津川中流部、狭窄部上流の上野地区、同下流の木津川、名張川、宇陀川、猪名川で河川整備計画の目標見直しに応じた河川改修を進める。桂川では嵐山地区について、一の井堰の改築や派川改修などを段階的に整備。木津川中流部では堤防整備や河道掘削、笠置町や南山城村など一部、局所的に冠水対策が必要な箇所でも対策を検討し実施する。名張川では引堤や河道掘削など、宇陀川についても築堤や河道掘削を実施する。


提供:建通新聞社