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北陸工業新聞社
2021/03/12

【富山】「財政健全化達成が最優先」/高岡市総合体育館凍結から3年余/新市長の政策判断に注目

 高岡市が新総合体育館整備事業を凍結してから、3年余りが経過した。市議会3月定例会に提出された2021年度当初予算案に関係事業費の計上はみられない。市では、「少なくとも財政健全化緊急プログラムの期間中は、その推進が最優先」とのスタンスで、高橋正樹市長が7月に退任を控えていることもあり、政策判断は、新市長に委ねられることになりそうだ。
 新総合体育館は、2017年7月に工事が公告されたが、8月の入札でメーンアリーナ棟に応札者がなく、そのほかの建築、設備を含めてすべての開札を取り止めた。設計変更を進めて再公告を目指していたが、その年の市議会12月定例会で高橋市長が、「予定通り着手した場合、プログラムの円滑な進捗に支障をきすことは不可避であり、苦渋の決断だが、当面着工を見送らざるを得ない」と事業凍結を表明した。なお、同時に市民会館改修事業も中止とし、当面休館する方針も示された。市民会館は解体の方向で検討が続いている。
 プログラムの期間は、2018年度〜2022年度までの5年間。市によると、「構造的な財政収支不足を踏まえれば、プログラム達成が第一で、新総合体育館は着工が見送られた」と経緯を振り返る。プログラム開始から3年が経ち、成果は着実に出ているとしながら、「収支均衡した予算編成には、まだ道半ば」との見解だ。
 プログラムの目標実現後であっても、財源の確保など課題は残る。再開された場合の設計については、「現在の設計書を基本に再度検討し、修正が必要になる」と見通しを示す。
 当時の計画では、建設規模はメーンアリーナ棟がRC・SRC・S造3階建て、延べ床面積約9519平方メートル、サブアリーナ棟が同2階建て、延べ床面積約3386平方メートル、弓道場棟がRC造・S造2階建て、延べ床面積約1688平方メートル。建設場所は二塚地内の高岡スポーツコア内で、敷地面積が約1万7000平方メートル。工事費として3カ年継続費約73億円が設定されていた。設計は梓設計(東京都品川区)・創建築事務所JVが担当。

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