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建設新聞社
2021/03/15

【東北・宮城】メタウォーターGが最優秀/全国初の宮城県上工下水一体コンセッション

 宮城県は全国初の取り組みとなる上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)の運営権者を公募型プロポーザル方式で選定し、メタウォーターグループを最優秀提案者とした。構成員は代表のメタウォーター以下、ヴェオリア・ジェネッツ、オリックス、日立製作所、日水コン、メタウォーターサービス、東急建設、復建技術コンサルタント、産電工業、橋本店の計10社。提案額は1304億7899万9999円。
 プロポーザルには3グループが参加。審査は200点満点で、メタウォーターグループは170・4点、次点のみやぎアクアイノベーション(前田建設工業を代表とするグループ)は156・33点、JFEエンジニアリングを代表とするグループは標準未満の項目があったため失格となった。審査を担当した宮城県民間資金等活用事業検討委員会の増田聡委員長(東北大学大学院経済学研究科教授)が12日に村井嘉浩宮城県知事に答申した。
 上下水道事業をめぐっては、人口減に伴う水需要および処理水量の減少、管路や設備の大規模更新、職員の技術伝承といった課題が顕在化しつつある。こうした状況でも将来にわたって安定的に事業を継続するため、県が施設の所有権を保持したまま、民間に運営権を設定するコンセッション方式を採用。この仕組みは上水道においては2018年の改正水道法により実施可能となった。
 運営権の設定対象事業は、上水道が2事業(大崎広域、仙南・仙塩広域)、工業用水道が3事業(仙塩、仙台圏、仙台北部)、流域下水道が4事業(仙塩、阿武隈川下流、鳴瀬川、吉田川)の計9事業。業務内容は各事業の運転管理・保守点検・修繕・改築。ただし運営権設定施設から管路は除く。また改築対象は機械・電気設備および建築付帯設備として、土木構造物と建築物は除外する。運営権の存続期間は20年間。
 今後は庁内で決定後、6月議会に運営権設定議案を提出。厚生労働大臣から運営権が認可された後に運営権者(SPC)との実施契約を結び、22年4月の事業開始を目指す。
 プロポーザルに参加したグループはメタウォーターグループのほか、前田建設工業グループ(その他の構成員=スエズウォーターサービス、月島機械、東芝インフラシステムズ、日本管財環境サービス、日本工営、東日本電信電話、東急、月島テクノメンテサービス)、JFEエンジニアリンググループ(その他の構成員=東北電力、三菱商事、明電舎、水ingAM、ウォーターエージェンシー、NJS、日本政策投資銀行)。
 講評によると、メタウォーターグループは維持運営を担う新会社を設立することで経営安定性や地域雇用の観点から高評価を得た。前田建設工業グループはICTモニタリングなど技術面でイノベーティブな提案が多いことが評価された。JFEエンジニアリンググループは運転管理に精通したノウハウがみられたが、流域下水道の収支計画に関して懸念事項があった。

 提供:建設新聞社