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建設経済新聞社
2021/03/24

【京都】次期建築物安心安全実施計画案 今後5年間の主な施策示す

 京都市はこのほど、次期「京都市建築物安心安全実施計画」案を明らかにした。
 次期計画の計画期間は令和3年度から7年度までの5年間。
 今後推進すべき建築物の安全対策と質の向上に係る施策を体系的に5本の柱に整理した。
 柱1は質の高い新築建築物の供給促進、柱2は既存建築物の安全性確保と活用促進、柱3は歴史的なまちなみの保全と防災性の向上、柱4は円滑な建築関係手続の推進、柱5は事故災害時に迅速に対応できる環境の整備。
 柱1の短期(今後5年間)で取り組む主な施策は、▽建築主や設計者等に向けた良質化に係る情報や誘導施策等の発信の充実▽将来の担い手育成のための学習・教育に係る取組の検討▽ウィズコロナ・アフターコロナの視点をはじめとする社会の動向を踏まえた京都らしい良質さについての追求と発信▽良質な建築物に関する情報発信(バリアフリー、環境配慮等)の充実▽建築物の良質化に係る性能を適切に評価し、インセンティブを創出する仕組みについての検討▽建築計画(宿泊施設)に関する京都市との事前協議、地域住民への事前説明手続の充実。
 目指すべき短期(5年後)の成果と指標は、▽バリアフリー優良建築物の割合…現況値7・4%→目標値15・0%▽CASBEE京都高評価建築物の割合…現況値34・8%→目標値40・0%。
 柱2の短期で取り組む主な施策は、▽不特定多数が利用する建築物への重点的な査察の実施▽建築物の不具合等に関する困りごとを専門家に相談しやすい環境づくりについて検討▽定期報告未報告の所有者に対する個別の働き掛け強化▽助成制度を利用した吹付けアスベスト対策に係る啓発の充実▽検査済証がない建築物の建築関係手続の円滑化に向けた検討▽定期報告状況と概要の更なる公開に向けた検討▽建築物の安全性能を適切に評価しインセンティブを創出する仕組みについて検討。
 目指すべき短期(5年後)の成果と指標は、▽査察等の個別指導実施件数…現況値−→目標値は年間100件、5ヵ年累計500件の実施▽建築物の定期報告件数…現況値1182件(令和2年報告対象建築物のうち、令和2年12月末時点での報告件数)→目標値4500件(令和2年12月末時点における建築物の定期報告対象建築物数は約4500件)。
 柱3の短期で取り組む主な施策は、▽歴史的建築物の法適用除外制度及び路地再生を実現する制度(連担建築物設計制度、接道許可など)の柔軟かつ、きめ細やかな制度運用の構築▽歴史的な意匠と調和しながら安全性を向上させるための建築物の防火改修等に係る技術開発▽各種制度について、助成制度等の関連施策や事例とともに情報発信▽構想から維持管理までを実現できる事業モデルの構築。
 目指すべき短期(5年後)の成果と指標は、▽地域、業界団体等への普及啓発の実施回数…現況値−→目標値は年間20回。
 柱4の短期で取り組む主な施策は、▽(建築関係手続)定期報告手続のオンライン化▽各種申請情報のオープンデータ化に向けたデータベース整備▽指定確認検査機関との協働による官民相互のノウハウ共有及び「建築法令実務ハンドブック」改訂▽幅広い知識を持って対話できる公民の人材育成の仕組み検討▽SNSの活用など発信力の高い方法で建築行政情報を発信。
 目指すべき短期(5年後)の成果と指標は、▽定期報告のオンライン受付が開始している▽指定確認検査機関との「建築法令実務ハンドブック」の協働改訂を定期的に行っているを挙げた。
 柱5の短期で取り組む主な施策は、▽事故、災害発生時の対応(査察、注意喚起、情報発信)を迅速化するための庁内連携体制の継続▽判定支援ツール(スマートフォンを活用した判定調査とリアルタイム集計、判定結果のインターネット公開)の導入と復旧・復興の支援等に向けた他部局とのデータ連携の検討▽花折断層を震源とした地震等を想定した、京都市震前実施計画の充実▽実施本部の運営に関する職員向け研修(年に1回程度)の実施▽災害時における各種窓口の受付状況に関する情報発信の仕組みの構築▽被災建築物の復旧支援に関する公民連携体制の構築に向けた検討。
 目指すべき短期(5年後)の成果と指標は、▽事故発生時に迅速に対応できる連携体制を維持している▽地震被災建築物応急危険度判定の判定可能件数を大きく増加させるように、実施本部の体制を整備している(判定支援ツールの導入)▽地震被災建築物応急危険度判定を早期に開始できるように、実施本部の体制を整備している(京都市震前実施計画の充実、実施本部の運営に関する定期的な研修の実施)▽災害発生後の復旧及び復興時に適切に情報発信がされ、円滑に建築行為が行われているを挙げた。