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日本工業経済新聞社(群馬)
2021/03/24

【群馬】県砂防課が土砂災害対策推進計画2021を策定


県砂防課は土砂災害対策推進計画の見直しを行い、計画期間となる2021〜29年度に156カ所で土石流・がけ崩れ対策を実施する方針を示した。対策の優先度を危険度と保全対象で評価。優先度がもっとも高いTとなったのは奈女沢(みなかみ町)など5カ所あり、24年度までの完了を目指す。また、新たな取り組みとして重要交通網の寸断防止を予定。今後、新規の整備箇所として着手したい考え。
見直しは19年の東日本台風での被害などを踏まえて実施。これまでの◇自力避難が困難な要配慮者の安全確保◇異常気象時の安全な避難場所の確保◇著しい被害が生じるおそれのある区域の安全確保−に対する取り組みに加え、新たに土砂災害警戒区域内(イエローゾーン)に人家が50戸以上ある箇所の安全確保と重要交通網の寸断防止を追加した。
重要交通網の寸断防止は、緊急輸送道路や鉄道が対象。また、警察や消防、水道施設、発電施設など災害時のライフライン確保に重要な施設が土砂災害警戒区域内に含まれる箇所で対策を予定。北群馬渋川地域や吾妻地域、利根沼田地域の寸断リスク軽減を図る。
防災対策を実施するにあたり、土石流対策167カ所、がけ崩れ対策173カ所の計340カ所の優先度を設定。
対策の優先度評価は、危険度は3段階に分けて実施。重要度は◇要配慮者施設◇避難所◇土砂災害特別警戒区域内に人家◇土砂災害警戒区域内に人家50戸以上◇重要交通網・重要インフラ−の有無によって対策実施箇所の優先度評価を評価した。
優先度を高い順にT〜Yに分けており、29年度までの対策実施を目指すのは優先度T〜Xまでの156カ所。内訳は土石流対策が70カ所、がけ崩れ対策が86カ所となる。
優先度ごとの箇所数と完了予定年度としては◇優先度T=5カ所、24年度◇優先度U=46カ所、25年度◇優先度V=43カ所、26年度◇優先度W=37カ所、29年度−。優先度Xについては計画期間内に全25カ所全てに着手し、うち15カ所の完了を目指している。
このほかソフト対策として新たに、土砂災害警戒区域などを周知する標識の設置も予定。現在の箇所がおおむね完了となるため、新たに区域などが設定された場合に設置することになる。
また、おおむね5年ごとに行っている土砂災害の危険箇所の調査を実施。現在は全8988カ所について2巡目の調査を行っている段階で、21年度中に完了。26年度までに3巡目の調査を完了させる。さらに、同年度までに土砂災害が発生するおそれのある箇所の追加指定も行う。