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建通新聞社(東京)
2021/06/22

【東京】都 善福寺川上流調節池で基本設計プロポ

 東京都財務局は6月21日、善福寺川上流調節池(仮称)の基本設計委託に関わるプロポーザル手続き(標準型)を開始した。杉並区内に延長約5・8`、貯留量約30万立方bのシールドトンネルを構築する計画。土木設計の競争参加有資格者から6月25日まで希望申請を受け付けた後、6月29日〜7月16日に技術提案書の提出を求める。8月27日に設計者を特定し、9月13日に見積もり合わせを行って契約を結ぶ。2023年2月28日を期限に成果を得て、関係者協議や都市計画決定手続きなどに備える。参考業務規模は税込み1億9400万円程度を想定している。
 善福寺川は杉並区善福寺の善福寺池から神田川に合流する河川延長10・5`の1級河川。上流部での治水対策として1時間当たり75_の降雨に対応できるよう、新たな調節池を整備する。
 善福寺川緑地(杉並区成田西3丁目地内)に内径約20・5b、深さ約56・2bの発進立坑、杉並区立関根文化公園(杉並区上荻4丁目地内)に内径約14・6b、深さ41・2bの到達立坑を設置。その上で、環状8号線などの地下に内径7〜10b程度、延長約5・8`の調節池本管をシールド工法で構築し、30万立方bの貯留量を確保する。併せて▽内径約17b、深さ約45bの連絡管立坑と、内径約4・4b、延長約10bの連絡管▽管理棟3棟(発進・到達・連絡管の各立坑付近)▽排水設備(善福寺川緑地)―を整備する。
 基本設計では取水施設の越流堤の延長と堰高を検討して基礎工と本体施設の構造をまとめるとともに、取水施設から立坑までの導水路の諸元を設定する。また、発進・到達立坑と連絡管の構造を比較検討し、概略の工程計画を策定して概算工事費を算出する。
 シールドトンネルの想定ルートの一部は道路と河川の幅員が狭あい(きょうあい)なため、区分地上権の設定が必要。そこで貯留量を確保しつつ区分地上権の範囲を最小限に抑えられるよう、シールドトンネルを設計・施工する際の着眼点や留意点、具体的な取り組みについて事業者から提案を求める。
 立坑の建設作業基地はいずれも住宅地に近接しているため、住環境と自然環境への負荷を極力低減する対策や工期短縮策も検討。シールドトンネル工事によって調布市内の住宅地で発生した地盤陥没事故を踏まえ、地盤の変動抑制対策や安全対策に必要な着眼点や留意点などについても具体案を求める。提供:建通新聞社