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建通新聞社(東京)
2021/06/24

【東京】自治体管理の「秩父橋」 国が修繕を代行

 国土交通省関東道路メンテナンスセンターは埼玉県秩父市の秩父橋=写真=で、管理者からの要請を受けて国が補修工事を行う「修繕代行」を初めて実施する。不調・不落対策として公募型指名競争入札を適用。また、下部工と上部工を分割し、それぞれ2021年度の新設工種である「橋梁補修工事」の有資格者に参加を求める。このうち初弾となる下部工を「秩父橋下部補修他工事」と題して6月24日に公示し、7月6日まで申請書を受け付けて、8月6日に開札する。後続の上部工については7月にも公示する見通しだ。
 秩父橋は秩父市阿保町で荒川に架かる橋長134・6b、幅員6bの鉄筋コンクリート3径間アーチ橋。1931年の完成で、現在は人道橋として使用している。
 初期の大型コンクリートアーチ橋として県の指定有形文化財となっている他、テレビアニメの舞台となるなど観光名所でもあることから、秩父市の要請を受けて同センターが19年度に点検・診断を代行。最適な保全手法を検討した。また、設計を復建技術コンサルタント(仙台市青葉区)に委託して進めた。
 下部工・上部工のいずれも参加者が少数となることが見込まれるため、公示後に参加意向を確認する公募型指名競争入札を適用する。
 初弾の下部工ではコンクリート補修の他、基礎の根固め、浸食補修工を実施する。工事規模は3000万円から6000万円未満で、工期は約7カ月。施工地が山間部のため、地域外から労働者を確保する際に宿泊費や赴任手当などの間接費を設計変更で認める方式も適用。契約後から着工までの間に、資材や労働者の確保のための「余裕期間」も設ける。工事成績70点以上で完成させると、他の工事の入札参加時に総合評価で加点される「難工事指定」の対象とする。
 後続の上部工は橋面工とコンクリート補修工を予定。床板下面に設置している鋼板の撤去も行う。工事規模は2億円から3億円未満。
 関東道路メンテナンスセンターは今後も、予算や技術者数に制約のある地方公共団体を支援するため、診断・修繕代行を積極的に実施していく。提供:建通新聞社