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建通新聞社(東京)
2021/09/09

【東京】都住供 賃住にテレワーク環境、ZEHも

 東京都住宅供給公社は新型コロナウイルス感染症を契機とした「新しい日常」の定着を見据え、公社賃貸住宅の建て替えや改修の際にテレワークに適した環境の整備を進める。環境負荷の低減に寄与するため、建て替え予定の住宅で「ZEH―M Oriented」(ゼッチ・マンション・オリエンテッド)の導入を検討するなど、国や東京都の施策の動向を踏まえた新たな取り組みも始める。これらを2021〜23年度を期間とする新しいアクションプランに盛り込んだ。
 テレワーク環境の整備は21年度に5団地、22年度に7団地、23年度に8団地の計20団地で計画。公社賃貸住宅の建て替えや改修の機会を捉え、テレワークがしやすい間取りの住戸を整備するとともに、コミュニティーサロン内にテレワークが可能なスペースを確保する方針だ。
 感染症対策として、入居者同士の接触頻度が高いコミュニティーサロンの床や壁の仕上げや建具などには抗ウイルス仕様の建材を採用。住戸内にウイルスを持ち込まないよう▽洗面台の自動水栓化▽玄関横に衣類収納スペースのある間取り▽非対面での荷物の受け取りが可能な宅配ボックスの設置―を団地ごとに検討する。
 健康意識の高まりや快適な住環境に対するニーズを踏まえ、受動喫煙の防止に配慮した「全面禁煙棟」も整備する。20年10月に完成した公社賃貸住宅「コーシャハイム経堂フォレスト」(世田谷区)では、2棟のうち1棟(30戸)の住戸内と敷地内を全て禁煙とした。別の住宅でも23年度までに全面禁煙棟を1棟完成させる計画だ。
 また、住宅の計画・設計から建設、維持管理までのライフサイクル全体を通じて環境負荷の低減に取り組むため、建て替え予定の住宅でゼッチ・マンション・オリエンテッドの導入を検討。建て替える住宅は原則として全棟に太陽光発電設備を設置する他、建築物省エネ法に適合した断熱仕様にする。
 既存住宅も維持修繕時に環境負荷の低い設備への更新を進め、30年度までに共用部の照明を100%LED化する予定だ。駐車場にEV(電気自動車)用充電設備の設置を進め、ZEV(ゼロエミッション・ビークル)などの普及を後押ししていく。
 この他、公社賃貸住宅の長寿命化や修繕時期の平準化を図るため、21年度から修繕計画の策定に向けた検討を始める。空き家リニューアルは21年度内に50戸以上、22年度と23年度にそれぞれ60戸以上の計170戸以上で実施。老朽化が進んで設備水準も低い住戸に改修を施して、現代の居住ニーズにマッチさせていく。提供:建通新聞社