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建通新聞社(東京)
2021/11/22

【東京】都 港特支、校舎棟改修・増築棟改築を検討

 東京都教育庁は港特別支援学校の再整備を校舎棟の大規模改修と増築棟の建て替えで対応する方針だ。全面建て替えや増築棟の利活用などを検討してきたものの、敷地の制約や教育環境への配慮などを理由に前提を改めた。これに伴い基本計画を練り直すこととし、希望制指名競争入札で12月に業務の委託先を決めて作業を進める。業務成果が最適解と判断できれば、2022年度以降に3カ年で基本・実施設計を行って、増築棟の建て替えや校舎棟の大規模改修などの工事に順次着手する。
 港特別支援学校は港区港南3ノ9ノ45(敷地面積1万0387平方b)にある高等部知的障害特別支援学校。鉄筋コンクリート造3階建て延べ8142平方bの校舎棟(1983年完成)と、鉄骨造2階建て延べ964平方bの増築棟(94年完成)が立地している。
 2021年度現在の学級・生徒数は普通科25学級・172人、職能開発科6学級・59人の計31学級・231人。再整備を実施して、普通科を27学級・216人、職能開発科を12学級・120人に増やし、計43学級・348人の教育環境を用意する。
 再整備を巡っては、19年度と20年度に社会計画総合研究所(渋谷区)へ業務を委託して、全面建て替えや増築棟の利活用など複数パターンで基本計画を検討。ただ、敷地が共同住宅と京浜運河、東京モノレールに囲まれていて、仮設校舎の設置場所や工事車両の動線の確保などに制約が大きいことが分かった。また、工事中の安全性や生徒の教育環境、施設の老朽化度合いといった観点からも検討した結果、校舎棟の大規模改修と増築棟の建て替えを与条件に基本計画を練り直すことになった。
 増築棟の建て替えで建設する新棟は延べ床面積4100平方bを想定。普通教室25室や実習室5室などを設ける他、プールを組み込むことも考えている。
 また、再整備のスケジュールは基本設計から供用開始まで10年間を予定。まず3カ年で基本・実施設計をまとめるとともに、グラウンドに仮設校舎を設置する。その後の3カ年で既存の増築棟の解体工事と新しい増築棟の建築工事を行う。続く3カ年で校舎棟の大規模改修工事を終えて、残りの期間で仮設校舎の解体と外構の整備を実施するとしている。
 業務委託のための入札手続きは、都市計画・交通等計画Cの競争入札参加有資格者から11月24日まで希望申請を受け付けて、12月9日に開札する。業務を通じて基本計画案と配置計画案、工程計画案、概算工事費などを具体化し、22年3月25日の納期で成果を得る。提供:建通新聞社