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建通新聞社(東京)
2022/01/26

【東京】都 常設作業帯が困難な路上工事で単価補正

 東京都の建設局と水道局、下水道局は、常設作業帯の設置が難しい地域での路上工事に関して、資機材の日々回送によって作業時間に制約を受ける場合は設計労務単価を割り増す。受注者の資機材置き場などから現場までの距離が7・5`以上あれば、実働作業時間に応じた補正割り増し係数を適用する。現場の実情を労務単価に反映させて長時間労働の是正などにつなげるのが狙いで、昨秋以降に積算基準を改定するなどして対応中だ。
 常設作業帯を現場付近に確保できない路上工事では、現場での作業時間以外に資機材置き場と行き来する時間などが余分にかかってしまう。一方で、働き方改革関連法により、建設業でも時間外労働の上限規制が2024年4月に始まる。建設関連団体からは、改正法令を順守するためには現場の作業時間を短縮せざるを得なくなり、工期通りの完成や適切な利潤の確保が難しくなるという声が上がっていた。
 21年4月には国土交通省が土木工事標準積算基準書を改定した中で、「常設作業帯の設置が困難な地域での路上工事において、現場条件により資機材等の日々回送が発生することで作業時間に影響を及ぼす恐れがある場合の積算については、別途考慮すること」と明示された。
 これを受け、都発注工事の中でも路上工事が多い建設、水道、下水道の3局が中心となり対策を検討。交通量の多い現道や通勤・通学路など、時間的制約の発生が事前に分かっている現場向けに設計労務単価の割り増し基準を設けていたため、常設作業帯の設置が難しい地域にも適用を広げて設計変更で対応することにした。
 設計労務単価の補正割り増し係数は国交省のものに準拠。日々回送によって1日の実働作業時間が7〜7・5時間以下の場合は1・06、4時間以上7時間以下ならば1・14を乗じる。建設局は21年10月、水道局は同年12月にそれぞれ積算基準を改定してベースを整えた。下水道局は国交省の改定趣旨に基づいて対応しているという。提供:建通新聞社