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建通新聞社(東京)
2022/03/11

【東京】首都高 日本橋地下化本体工に新方式

 首都高速道路会社は、都心環状線・日本橋区間地下化事業(千代田区〜中央区)のWTO対象本体工事3件で「技術選抜設計承認方式」と題した新たな入札契約方式を試みる。既存の総合評価落札方式を改善したもので、手続きを通じまず2者を選抜して両者に一定程度の実施設計を任せ、完了後の入札で1者に絞って工事の契約を結ぶ流れ。JV参加は大手のみでの組成を制限する他、価格評価点の上昇を抑える仕組みも用意して低入札を防ぐ。対象のうち初弾の常盤橋地区トンネル工事を4月下旬に公告し、2024年3月下旬の入札を目指す。これに続いて、シールドトンネル工事と高速6号向島線接続地区上部・橋脚・基礎工事の残り2件の入札手続きを22年度第2四半期〜23年度第4四半期に進める考え。3月10日に39社を集めて開いた説明会で明らかにした。
 日本橋区間の地下化は老朽化した構造物を大規模更新する事業の一環として実施。神田橋ジャンクション(JCT)〜江戸橋JCT付近間の約1・8`に新たな地下ルートなどを整備して、日本橋川や日本橋の上空を覆う高架を撤去する。総事業費約3200億円。35年度までに地下ルートなどを整備して、40年度までに高架の撤去を完了させる予定だ。
 新たな入札契約方式の対象は「(改負)高速都心環状線(日本橋区間)常盤橋地区トンネル工事」、「(改)高速都心環状線(日本橋区間)シールドトンネル工事」、「(改)高速都心環状線(日本橋区間)高速6号向島線接続地区上部・橋脚・基礎工事」の3件。いずれも実施設計付きで50億円以上の案件となっている。
 今回の技術選抜設計承認方式は、民間の施工ノウハウの活用が不可欠な中で、技術評価点が僅差になった場合でも、2者の実施設計を比べることで、特定工種の優れた技術提案を幅広く採用できる可能性が排除されないようにするのが狙い。
 参加者の技術提案やヒアリングの評価(1次評価)で技術評価の高い2者を「段階選抜者」として選定。それぞれと実施設計の契約を結んで一定程度の成果をまとめてもらった上で、価格ヒアリングや最終の技術提案を経て評価(2次評価)を実施し、最終技術提案の評価が高い方の内容を基に予定価格を設定して入札を行う。実施設計の業務規模や工事の参考価格を公告時に明示する。
 単体またはJVでの参加を求めるが、JVについては経営事項審査点数の高い企業を1者までにして、大手のみでの組成を制限。低入札基準価格を予定価格の75〜92%の範囲で定めるとともに、段階選抜者それぞれの見積もりに基づく予定価格相当額から価格評価点が0点になる価格を定めて低入札を抑制する。
 これらの他にも、条件変更による設計変更協議を円滑化したり、特異事象に対する迅速な対応を可能にしたりする工夫も採用する。提供:建通新聞