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建通新聞社(東京)
2022/04/15

【東京】都 新玉川給水所新設、基本設計へ5月入札

 東京都水道局は新玉川給水所(仮称)を新設する。世田谷区にある玉川浄水場の敷地を活用し、隣接する玉川給水所の能力を補完して配水区域を広げるための施設とする方針。容量や施設配置などを検討するため、基本設計の委託先を決める希望制指名競争入札の手続きを開始した。また、2021年度に不調となっていた代々木給水所の新設に伴う基本設計についても、委託内容を見直して同時並行で入札手続きを進める。いずれも4月18日まで希望申請を受け付けて、5月25日に開札する。それぞれ24年度、25年度の工事着手を目指している。
 水道局は給水の安定性を向上させるため、施設配置に偏りがある地域へ給水所を新設するとともに、容量が不足していたり、老朽化が進んだりした給水所を優先して更新・拡充することにしている。
 新玉川給水所の建設地は、世田谷区田園調布1ノ19に立地する玉川浄水場の敷地内(面積7万8410平方b)。玉川浄水場は原水の水質悪化で1970年に上水道の事業を休止し、79年から工業用水道の施設として使用してきたものの、需要の減少などを背景に工業用水道の事業自体を2022年度末で廃止するため、敷地の一部を活用して新玉川給水所を新設することになった。
 工業用水道の薬品沈殿池(4池)や混和設備(フロック形成池2池)などは再利用できないため、撤去して新たな配水池などを整備する他、既存のポンプ施設を更新する。配水管については既設管の利用をベースとしつつ、地形や水圧などの面から効率的な運用が見込めない場合は新設も検討する。
 また、隣接地にある玉川給水所は配水池2池で合計6万立方bの容量を持つ。配水系統は三郷・朝霞・三園・砧・長沢系。運用を継続しつつ、新玉川給水所と連絡管で接続するなどして、配水区域を大田区や品川区を含めた区部の南側方面に広げたい考え。
 今回の基本設計では、配水区域の検討と並行して、新玉川給水所の容量や施設配置などを詰めいく。計画1日最大配水量の12時間分を目安とした配水池容量の確保が念頭にある。
 履行期間360日で23年末ごろまでに成果を得て、後続の実施設計に備える。24年度内の着工を考えている。

 《代々木給水所は基本条件を整理》

 一方、代々木給水所は渋谷区神南1ノ2の代々木増圧ポンプ所を改築する形で新設する。配水池2池を整備して、最大で4万5000立方bの容量を確保したい考え。建設地が代々木公園の未整備エリア内に位置するため、公園整備を手掛ける建設局と調整が必要な他、JR線路との近接などの制約もある。
 21年度に測量や既設管の切り回し設計などを含めた基本設計の入札手続きを実施したところ、不調に終わっていた。
 このため今回の基本設計では、敷地の条件や施工上の課題などを整理して給水所のレイアウトをまとめてもらう。履行期間200日で得る成果を基に後続業務の内容を検討するなどして、25年度の工事着手につなげる。提供:建通新聞社