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建通新聞社(東京)
2022/05/09

【東京】事前公表「全て」か「原則」が24団体

 国土交通省、総務省、財務省の3省が2021年度に行った公共工事入札契約適正化法に基づく入札・契約手続きの実態調査(21年10月1日現在)によると、東京都内自治体63団体(都・23区・26市・5町・8村)のおよそ4割に当たる24団体が工事の入札で予定価格を全てまたは原則として事前公表していた。うち19団体は最低制限価格の算定式を非公表や17年4月以前の中央公契連モデルとしており、17団体で20年度の平均落札率が前年度を下回った。平準化に関わる項目を全て実施しているのは2団体、週休2日制モデル工事の実施は5団体にとどまった他、法定福利費を適切に計上しているのも3団体だけだった。
 予定価格を全てまたは原則として事前公表していた24団体は11区(全て6区+原則5区)・11市(全て)・1町(全て)・1村(全て)の内訳。事後公表と併用の16団体(都・6区・8市・1村)や一部の3団体(1区・1町・1村)を含めると、7割弱の43団体が何らかの形で事前公表を取り入れている。
 また、24団体のうち最低制限価格を運用する23団体(11区・11市・1町)は算定式を▽非公表=9団体(8区・1市)▽17年4月より前の中央公契連モデル(準拠含む)=3団体(3市)▽17年4月中央公契連モデル=7団体(1区・6市)▽独自=1団体(1区)▽19年3月中央公契連モデル=3団体(1区・1市・1町)―と回答。非公表と17年4月以前の中央公契連モデルの採用が19団体と大半を占めている。
 さらに、24団体の20年度の平均落札率は、低入札価格調査制度の運用を含め88・6〜98・1%に分布。17団体(8区・7市・1町・1村)の平均落札率が前年度を0・2〜5・3ポイント下回った中で、3団体(3市)は最低制限価格自体も事前公表している。
 全63団体の平準化に関わる項目ごとの取り組み状況は▽債務負担行為の積極的な活用=45団体(全体の71%)▽工期1年未満の債務負担行為の設定=39団体(62%)▽ゼロ債務負担行為の設定=32団体(51%)▽柔軟な工期の設定=13団体(21%)▽速やかな繰り越し手続き=42団体(67%)▽積算の前倒し=47団体(75%)▽早期執行のための目標設定=14団体(22%)―だった。全てに取り組んでいるのは都と1市の2団体で、逆に1町・2村の3団体が全てに取り組んでいなかった。
 都・2区・1市・1村の5団体が週休2日制モデル工事を実施している反面、10区・18市・5町・5村の38団体は未実施と答えた。
 法定福利費を適切に計上しているのは1区・2市の3団体。元請けと下請けの全階層で社会保険未加入業者を排除しているのは2区・3市の5団体だった。その一方で1区・7市・4町・4村の16団体は元請け、14区・20市・4町・6村の44団体は下請けのそれぞれ社会保険未加入業者を排除していなかった。提供:建通新聞社