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建通新聞社(東京)
2022/05/17

【東京】地整 羽田鉄道、JRのシールドを詳細設計

 国土交通省関東地方整備局は羽田空港(大田区)の鉄道基盤施設整備で、JR東日本アクセス新線のシールドトンネル構築に関わる詳細設計をスタートさせる。発進立坑と空港端までのシールドトンネルが対象で、それぞれの構造断面や耐震性などを検討した上で、施工計画を立案していく。所管の東京空港整備事務所が簡易公募型競争入札(総合評価方式)で6月中に業務の委託先を決定。2022年度内に成果を得て工事の発注に備える。
 JR東日本アクセス新線は東京貨物ターミナルから羽田空港新駅まで(品川区〜大田区)の延長約5`。このうち終点側の約2・4`を、シールド工法(約1・9`)と開削工法(約500b)を使って直轄事業で整備する。皮切りは開削工法で駅のホーム部を造る終点端の約250b区間で、ECIを採用した。技術協力業務を任せる事業者を7月に決めた上で、価格交渉などが成立すれば工事も随意契約して23年度に着工する見通しだ。
 今回の詳細設計は、東京空港警察署(大田区羽田空港3ノ4ノ1)の隣接地に設ける躯体幅17・1b×奥行き18・7b×深さ18・4bの発進立坑と、そこから誘導路や誘導路などの直下を空港の端部まで北西方面に掘り進める内径10・6b、延長約1・9`(合成セグメント約800b、RCセグメント約1・1`)のシールドトンネルが対象。
 発進立坑はシールドトンネルの掘進が終われば地下3階建てにして、複線の軌道や排水ピットなどを配置する計画。避難・進入・保守用階段と排気などのダクトの躯体も付随して造る。
 シールドトンネルには複線の軌道を敷く他、避難・保守の空間を確保する。発進立坑付近の土被りが約4bと浅い一方、空港の端部では約40bに達する。埋め立て地のため、掘進に際して土中の支承物や可燃性ガスへの対応が必要なだけでなく、ルート上にある橋梁基礎杭の受け替えなどで通過空間を確保しなければならない。
 21年度に日本シビックコンサルタント・日本工営JVが基本設計を手掛けていた。
 業務を通じて発進立坑とシールドトンネルの構造断面や耐震性を検討して図面を作成。その上で、近接構造物への影響も考慮しながら施工計画を練り、概算数量・概算工費や工事工程を具体化して工事を発注できるようにする。
 入札手続きは建設コンサルタント等Aの単体またはJVから5月20日まで参加表明書、6月13日まで技術提案書を受け付けて、6月30日に開札する。23年3月10日を期限に成果をまとめてもらう。
 空港外の約2・6`はJR東日本が整備。シールドトンネルも空港の端部から起点方面への掘進を国から引き継いで行う。提供:建通新聞社