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建通新聞社(東京)
2022/08/04

【東京】都 予定価格修正方式を拡大

 東京都は、資材価格の高騰を受けて「予定価格修正方式」の適用案件を拡大する。予定価格の設定から入札までの間に資材価格などが大きく変動した場合に最新の単価を反映するもので、予定価格9億円以上の工事を対象とする現行の金額設定を引き下げ、予定価格が事後公表の工事に広げる。また、調査や警備、維持管理などの業務委託に伴う入札契約事務手続きに関して、局発注権限を拡大する。予定価格1000万円未満を各局契約、それ以上を財務局契約第2課の契約としている現行の基準を2000万円未満に引き上げる。いずれも事業執行の迅速化に向けた取り組みの一環。各施策の開始日に関しては、決まりしだい発表する。
 都の積算(予定価格の設定)から入札までの期間が比較的長い大規模工事などでは、労務単価や資機材価格が大きく変動した局面で予定価格と入札時点での実勢価格との間に乖離(かいり)が生じやすく、都は2018年2月から「予定価格修正方式」を試行。公告から資格確認結果通知書の送付までに予定価格の見直しが可能となっている。
 現行は予定価格9億円以上(議会案件)の競争入札案件を対象としているところ、金額設定を引き下げ、予定価格が事後公表となる工事に適用することにした。具体的には、建築工事4億4000万円以上、土木工事3億5000万円以上、設備工事2億5000円以上が対象となる。不調・不落などによる事業遅延のリスクを低減させる効果を見込む。
 また、財務局契約第2課が発注する業務委託の契約手続きで局発注権限を拡大する。現在は予定価格が1000万円未満の案件を各局で契約し、それ以上の案件を財務局契約第2課が契約している。この基準を引き上げて、2000万円未満を各局契約とする。契約手続きを効率化する他、大規模かつ長期間にわたる案件に財務局が集中できるようにして、業務量のバランスをとる狙い。
 工事に関連する業務委託(建築設計や測量、地盤調査など)についてはすでに2000万円未満が各局、それ以上が財務局契約第1課の契約対象となっており、現状のまま変更しない。
 これらの施策を7月29日に発表した「シン・トセイ加速化方針2022」に盛り込んだ。同方針では、都が実施する政策の効果を素早く都民に届けるため、事業展開をスピードアップする方策を提示。ゼロ都債や債務負担行為を積極的に活用して事業着手時期の前倒しを図るといった予算措置段階での取り組みに加え、契約段階でも手続きの短縮化などを全庁で展開する。提供:建通新聞社