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建通新聞社(東京)
2023/02/21

【東京】警視庁 上野警察署改築設計で債務負担

 警視庁は上野警察署(台東区)の建て替えに伴う基本設計を2023年度に始める。近傍の区立小学校跡地の一部を移転先に、延べ床面積約1万5000平方bの新庁舎を建設する計画。全体事業費を約99億円と見積もる中、23年度当初予算に地盤調査・測量や基本設計の経費として6367万円を計上。また、上野警察署を含めた警察署庁舎など110所の新築・改築・改修で24年度以降の支出を担保するため、限度額89億5445万円の債務負担行為(24〜26年度)を新たに設定する。
 上野警察署の現庁舎は台東区東上野4ノ2ノ4に立地。鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上7階建て延べ3734平方bの規模で、同一敷地内の別館(鉄筋コンクリート造、延べ床面積212平方b)とともに1975年に完成した。
 老朽化と狭隘(きょうあい)化が進んでいるものの敷地面積が約1500平方bと限られており、現在地で必要な施設面積を確保しつつ建て替えることが難しい。
 このため台東区の土地区画整理事業(2022年8月施行認可)を通じ、近傍にある区立下谷小学校跡地(台東区東上野4ノ7ノ9、敷地面積3445平方b)の一部を確保して新庁舎を建設する。区が23年度に旧下谷小の解体工事を発注する見通しだ。
 新庁舎の規模を地下2階地上9階建てで延べ床面積1万4700平方bと想定。23〜24年度に基本設計を進めて詳細を詰める。24〜25年度の実施設計を経て26年度に建築工事をスタートし、29年度の完成を目指す。
 19年度に基本計画の作成業務を田中建築事務所(港区)へ委託していた。
 
 【計110署所に債務負担】

 一方、23年度当初予算に警察署庁舎などの新築・改築・改修で設定する債務負担行為の限度額は▽本部関係庁舎4所=11億3056万円▽警察署26所(上野警察署含む)=53億6910万円▽交番8所=2億1455万円▽駐在所4所=1億6788万円▽待機宿舎9所=18億1984万円▽警察庁舎への太陽光発電装置の整備59所=2億5249万円―の内訳。
 個々に見ると、本部関係庁舎の債務負担行為では本部庁舎(千代田区)の監視カメラ設備改修工事や発電機の改修設計、新橋庁舎(港区)の電気設備・発電設備・消火設備改修工事と空調設備改修設計などを計画。深川分庁舎(江東区)の撤去や第一自動車警ら隊蒲田分駐所(大田区)の庁舎改修に伴う設計などもある。
 警察署の債務負担行為は上野警察署の改築設計に加え、代々木警察署(新宿区)の仮庁舎設計、志村警察署(板橋区)の旧庁舎撤去工事、三宅島警察署(三宅村)の庁舎改築工事などが目的。町田警察署(町田市)と築地警察署(中央区)、本富士警察署(文京区)の機械設備改修工事なども挙げている。
 交番と駐在所、待機宿舎の債務負担行為は、交番の設計5所と工事3所、駐在所の設計2所と工事2所、待機宿舎の設計4所と工事5所がそれぞれ対象。太陽発電装置の整備に関わる債務負担行為は既存の警察署11所と交番・駐在所48所の工事のため設定する。提供:建通新聞社