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建通新聞社(東京)
2023/03/27

【東京】都 石神井川第一調節池、来年度から準備工

 東京都建設局は「石神井川上流第一調節池(仮称)」(西東京市〜武蔵野市)の準備工事を2023〜24年度の2カ年で実施する。延長約1・9`の本管トンネルを泥水式シールド工法で構築するため、両端の立坑予定地で樹木の移設や工事搬入路の整備を進める。予算措置されれば24年度に立坑の工事を始めたい考え。総事業費約989億円を投じて35年度の完成を目指す。
 石神井川は小平市内から西東京市や練馬区、板橋区、北区の各市区内を流れて北区堀船で隅田川に合流する延長25・2`、流域面積73・1平方`の1級河川。時間最大75_の降雨に対応できるよう、上流方面に「石神井川上流第一調節池(仮称)」を新設する。
 武蔵野中央公園内(武蔵野市八幡町2丁目)に発進立坑を、平常時は広場に利用している南町調節池内(西東京市南町1丁目、掘込み式)に到達立坑を設置。青梅街道、伏見通りなどの地下を通る延長約1・9`、内径14・3b(外径15・2b)、土被り約30bの本管トンネルを泥水式シールド工法で構築し、約30万立方bの貯留量を確保する。
 南町調節池内に取水・排水施設を整備。また、途中の東伏見公園内(西東京市東伏見1丁目)にも取水施設を設け、取り込んだ水を連絡管トンネルを介して本管トンネルに導く。さらに南町調節池内、東伏見公園内、武蔵野中央公園内にそれぞれ管理棟を造る。22年3月に都市計画決定を、同年10月に事業認可を受けた。
 23〜24年度の2カ年で実施する準備工事などのため、23年度の当初予算に6億円を計上するなどした。武蔵野中央公園内の樹木を移設して発進立坑の築造や本管トンネルの掘進に必要な施工ヤードを確保したり、南町調節池内の到達立坑の築造に向けて工事搬入路を整備したりする。
 設計は建設技術研究所(中央区)が担当。本管トンネルの詳細設計を行う中で、地下水位や土質などの条件を加味して泥水式シールド工法を採用するとともに、発進立坑をニューマチックケーソン工法で築造する方針を固めた。順調なら24〜26年度で発進立坑の工事を終えて、27年度から本管トンネルの掘進工事を始めるスケジュールを想定している。
 東伏見公園内の取水施設や設備関連の詳細設計も24年1月10日までに完了させて、本管トンネルに続く工程などを具体化していく。提供:建通新聞社